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最終更新日:2022-03-16

トラック運転手を辞めたいと思う時の打開策

トラQ編集部
トラック運転手を辞めたいと思う時の打開策

トラック運転手で長時間の勤務や不規則な生活から仕事を辞めることを検討している人もいるかもしれません。

ただ、様々な理由から自分が本当に辞めるべきか悩んだり、辞められない状況になったりと中々一人では状況を判断しづらいこともあります。

また、これからトラック運転手に就職・転職しようと思っている人の中には、辞めたい理由を把握しておいて、そうならないような会社選びがしたいと考える人も思います。

今回はそんなトラック運転手と退職に関わる項目について紹介していきます。



【目次】
1.トラック運転手を辞める理由となる不満
 1-1.金銭に関する不満
 1-2.労働時間・休日に関する不満
 1-3.体力・健康面での不満
 1-4.その他の不満
2.トラック運転手を辞められない状況の打開策
 2-1.仕事先が見つかるかわからない不安
 2-2.上司や同僚に言われる不安
 2-3.会社自体からの圧力による不安
3.トラック運転手の就職・転職で失敗しないためには?
 3-1.自分の求める条件に合った会社を探す
 3-2.入社後数ヶ月は様子見する
 3-3.有給休暇を利用する
4.退職手順と退職後にやるべき項目
 4-1.退職手順
 4-2.退職願が受理されなかった場合
 4-3.すぐに転職しない場合に申請できる保険給付
 4-4.健康保険と年金の手続き
5.まとめ



トラック運転手を辞める理由となる不満


トラック運転手を辞める判断をする際に、自分が辞める理由が他の人にも当てはまるものか気になる人もいると思います。

考えている不安が自分だけの不安であると思うと、本当に辞めて良いのかわからなくなってしまうこともあるでしょう。

よくある不満を見て、それが辞める理由になり得るのかについて、見ていきましょう。

金銭に関する不満


トラック運転手の平均月給は2019年では大型トラックが35万円程度となっており、それ以下の大きさでも30万円前後となっています。

トラック運転手として働くモチベーションの一つに高い給料を求める人も一定数いることから、金銭面は重要な要素です。

しかし月給は、個人でなければ会社の裁量次第になってしまうため、場合によっては平均を大きく下回る可能性もあります。

自分が想定していたよりも収入が伸びないようであれば、不満に思っても仕方ありません。

また、トラック運転手は時間外労働もそれなりにある仕事ですが、普通の会社であれば、それに見合った残業代が支払われるはずです。

ただ、悪質な会社では残業時間を意図的に減らしたり、残業代をきちんと支払わなかったりなど、結果的に全体の給料が少なくなってしまうこともあります。

本来支払われるべきはずの残業代が受け取れない環境は、辞める動機としては十分と言って良いでしょう。

【関連ページ】全日本トラック協会 2019 年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態

労働時間・休日に関する不満


トラック運転手は他の業種と比べると運転や積み降ろし作業を含めた時間の他に、荷主の要望によっては待機時間が必要となり、全体的な業務時間が長くなりがちな仕事です。

更に金銭でも挙げたように、時間外労働も加えると、拘束時間はかなりの長時間になります。

拘束時間が長いことで十分な休息や自分の自由時間が取れない、こういったことがストレスや不満となる人は、次の健康面にも繋がるので、辞める動機になり得ます。

そして、トラック運転手では業務における運転や作業を含む拘束時間は1日で13時間を基準であることなど、業務時間や休憩・休日に関する専用の基準が設けられています。

もしも務めている会社がこの基準に反しているのであれば、ルール違反であるだけでなく、自身の労災のリスクを高めることにもなるので、辞めること検討すべき会社です。

【関連ページ】 トラック運転手の仕事時間、日勤と夜勤の違いから給料までご紹介
【参照】厚生労働省 自動車運転者の労働時間等の改善の基準

体力・健康面での不満


トラック運転手は肉体労働を伴う仕事であることから、体力や健康面は十分に注意しなければならないものです。

金銭や労働時間自体に大きな不満がなくても疲労は確実に溜まっていくもので、それが何らかの事故や疾病に繋がる可能性はあります。

そんな中で元々体力に自信が無い場合や、年齢を重ねたことによる体力の低下を感じて、仕事を続けることがつらいと思った時は、辞める動機としては間違っていません。

ただ普通の会社であれば、定期的な休日の確保や福利厚生によるサポートがあるので、それを利用しながら身体を休めて続けるといった方法も可能です。

しかしこの休日や福利厚生も、悪質な会社では無視されてしまう可能性もあるので、そのような会社である場合は、自分のことを第一にして辞めることを検討すべきです。

その他の不満


上記以外の不満としては、各項目でも挙げたように、本来の基準に反するようなことをしている会社は、不信感を覚えてしまう人もいると思います。

時間を守らないことや、トラックの管理・点検を適切にしていないことは、違反であるだけでなく、労働者である自分の事故やケガのリスクに繋がってしまう項目です。

気持ちよく仕事ができる環境作りができていないとしたら、辞める理由としては十分成立します。

また、自分の年齢が高齢である場合は、その年齢に見合った仕事が振り分けられているかも不満の一つになります。

トラック運転手は年齢に関係なくできる仕事ではありますが、年齢と共に体力の低下や運転能力としての判断力の鈍りは避けられないものです。

その時に、会社側に相談して配慮して貰えるのであれば問題ありませんが、それもなかなか難しいものです。

自分の年齢や体力と照らし合わせて今の会社を辞めるかについて判断することも、自分の身体を思ってのことであれば、決して間違いではありません。

トラック運転手を辞められない状況の打開策

トラック運転手を辞められない状況の打開策

トラック運転手を辞める理由となる不満を抱いていても、それ以上に不安が勝って行動できない人もいます。

ただ、明確な不満があって辞めない選択を続けていると、ストレスや体調不良に繋がって重大な事故やケガに繋がる可能性もあるものです。

そこで、辞められない状況とその状況を解決する打開策を見ておきましょう。

仕事先が見つかるかわからない不安


トラック運転手を辞める際に最も問題となるのは、次の仕事先が見つけられるかという不安です。

この不安はトラック運転手をそのまま続けるのか、トラック運転手自体を辞めて別の職種に就くのかで大きく変わってきます。

トラック運転手をそのまま続ける場合は、需要という点では働き口は多量にあるため、すぐに辞めてしまってもそれほど心配する必要はありません。

近年、業界的にトラック運転手は人手不足に悩まされており、どの会社も働き手を求める傾向があります。

ただし、引く手あまたである分、次の会社も同じような条件や環境になってしまうことがあるので、採用情報から労働時間福利厚生をしっかりと見極めましょう。

一方、トラック運転手自体を辞めるケースでは、いきなり辞めてしまうと次の仕事先をすぐに見つけるのは難しいものがあり、仕事自体は限られてしまうことが多いでしょう。

トラック運転手を辞めた後にやりたい仕事がある人は、資格取得途中でも、そのまま辞めて勉強に専念するのも一つの手段になります。

反対にやりたい仕事がない人がそのまま辞めてしまうと、次の仕事を探すまでの間は収入がなくなってしまうので、少し慎重にならなければいけません。

職業安定所等で失業保険などの保険給付は受け取れますが、1年前後で給付は途切れてしまうものです。

肉体的・精神的に苦痛がある場合はすぐに辞めても良いのですが、そうでない場合はトラック運転手として働きつつ、やりたい仕事や転職先を見つけることをおすすめします。

上司や同僚に言われる不安


トラック運転手に限らず、仕事を辞めづらい状況になる一つの理由に、今まで一緒に働いてきた上司や同僚に何を言われるかわからないという不安があります。

良くしてもらったかどうかに関わらず、見知った人から文句を言われることは別の意味で精神的につらいと感じてしまうことは、珍しい感情ではありません。

また、自分が抜けた後に、仕事が滞ってしまうと申し訳ないと優しい気持ちを持っている人もいます。

ただ、トラック運転手の業界がいくら人手不足の環境にあっても、一人が抜けて業務が成立しなくなるような会社は、そもそも現在の運営体制に問題があります。

仕事を辞める際は引き継ぎ作業を行うので、会社側もそれを踏まえた人員補充や対策を考えて何とか解決していくものです。

また、寂しい言い方になりますが、見知った上司や同僚が気になっても、仕事先が変わると繋がりはほとんどなくなります。

適切な手順を踏んで辞めようとしているのに、何か言うような上司や同僚は、その程度の気遣いもできない人間だったと割り切ることが大事です。

それでも本当に言い出しづらい場合は、退職代行サービスを利用して退職を済ませるという方法も今ではあります。

料金はかかりますが、退職を会社側に直接言わなくて済むので、心理的な不安がある人には有意義なサービスです。

【関連ページ】 円満退社する方法と退職の意思の伝え方

会社自体からの圧力による不安


上司や同僚から何か言われる不安は、実際には何も言われてなくても起こる不安ですが、中には本当に圧力をかけて、仕事を辞めないように言ってくる会社もあります。

人員不足を理由に仕事を辞めると損害賠償を支払うように言ったり、事故から生じたトラックの修理代を払わなければ辞めさせないと言ったりと、言い分は様々です。

しかし、それら会社都合や金銭的理由から会社を辞めないようにする拘束力は、会社が持つものではなく、むしろ雇用契約上にない理由での引き留めは法律上禁止されています。

通常、会社を辞めるには退職する意思を退職する2週間前を目途に退職願を提出することで、問題なく退職できるのです。

この常識の範囲で辞める意思を示して、会社側が圧力をかけてきた場合は、労働基準監督所や退職代行サービスなど別の機関に相談して、正しく対応して貰いましょう。

トラック運転手の就職・転職で失敗しないためには?

トラック運転手の就職・転職で失敗しないためには?

トラック運転手を辞めたいと思う原因として、大きな部分を締めるのは働いている環境にあります。

これからトラック運転手に就職する人も今のトラック会社から別の会社に転職する人も、最初の環境が整っていれば、それ以上辞める必要はなくなる場合がほとんどです。

ここでは就職・転職時に意識することや就職・転職した後に意識すると良い項目を見ていきましょう。

自分の求める条件に合った会社を探す


トラック運転手を辞める理由となる金銭面や体力面は最初の会社選びでミスマッチを起こさなければ不満となりづらい部分です。

悪質な会社では採用情報と実際の仕事が食い違うこともありますが、ほとんどの会社では残業代を含めた給料と時間外労働のおおよその時間を書いています。

この条件を最初から妥協してしまうと、結果的に長続きしづらい仕事に就くことになります。

金銭面を重視するときは給料の項目、自由時間を重視するときは時間外労働の総時間というように、自分に合わせた項目を重点的に見ていくことがおすすめです。

仕事を探す際には、自分に合った条件を探すのは当然のように思うかもしれませんが、就職・転職が上手くいかないと焦って妥協してしまうこともあります。

売り手市場であるトラック運転手業界であるからこそ、採用情報はしっかり確認して、なるべく妥協しない会社選びをしていきましょう。

入社後数ヶ月は様子見する


トラック運転手の仕事内容の不安として金銭面がありますが、就職して最初のうちは研修や見習いとして扱われることもあるので、想定より少なくなるかもしれません。

また体力面でも、最初のうちは身体が慣れていないことから、余計に疲れてしまう部分があります。

これはトラック運転手以外の業種でも言えることで、最初から一人前として働くことや慣れた状態で働くことは、同じ業種の転職以外では難しいものです。

もちろん、どうしても身体が合わない、ストレスになってしまう人は早い段階でも無理に続ける必要はありません。

ただ、数ヶ月は様子見して働いていくと、独り立ちして給料面も安定したり、体力も付いて身体が動かせるようになったりします。

一般的によく言われる3年まで続けなくても良いですが、辞める判断が早過ぎると本来の実力を発揮する前に辞めてしまう可能性があるので注意しましょう。

有給休暇を利用する


トラック運転手を辞めたいと思う人の中には規定の休日以外は休まない人や休日出勤も必ず応じるような真面目な人もいます。

そのような人は休みが少ない分、身体の疲労やストレスが溜まりやすく、そこから辞めてしまう可能性が高くなることもあります。

真面目に働くことを会社の貢献度は高いものですが、有給休暇が取れる環境であれば、リフレッシュのためにも取得する方がおすすめです。

特に金銭面で不満がない場合は、体調管理さえしてしまうと、心身共に向いている仕事になるので、辞めるような状況にならないようにしていきましょう。

退職手順と退職後にやるべき項目

退職手順と退職後にやるべき項目

辞める理由になる不満と就職・転職後に意識する項目を照らし合わせて考えた後に、退職を決意した場合は、退職手続きを進めていくことになります。

会社に雇用されているのであれば、トラック運転手の退職も通常の退職手順と同様のものになります。

退職手順


一般的な退職の手順は以下のようになります。

①2週間前までに退職の意思を伝え、退職願を提出して(口頭でも可)伝える。
②退職願が受理された場合、担当者と退職日や有休消化について確認する。
③退職日が決まったらそれまでに仕事の引き続きなどを行う。
④会社へ行く最後の日に最終的な退職手続きを行えば退職完了(有給休暇がある場合は有給休暇消費した後に退職完了)。


退職願とは「退職したい」という意思を伝えることなので、口頭での申し出も可能です。

労働基準法では、退職の意思は2週間前までに伝える必要がある、という基準はありますが、実際に引き継ぎの時間を考えると、1ヶ月以上前に意思表示があると、会社側も対応しやすいものです。

退職日の取り決めは自分の再就職先の都合と会社側の都合を合わせて考えていきますが、それに加えて有給休暇の有無が大きく影響してきます。

有給休暇を申請できる条件は「雇い入れの日から6ヶ月以上勤務」かつ「全労働日の8割以上出勤」が基本です。

申請すると有給休暇を消化した上で、有給休暇が終わった次の日を退職日とするのも可能となります。

この場合、有給休暇を消化した次の日に会社へ出向いて退職手続きをする、先に退職手続きをしてから有給休暇が始まって規定の日に退職完了する、のどちらかの方法が考えられます。

良心的な会社であれば、有給休暇を消費した上で退職するように提案してくれるものです。

有給休暇の申請は原則会社側が断れないものなので、条件を満たしているのに有給休暇に触れられない時は確認しておきましょう。

もしも退職代行サービスを利用する場合は①から④の手続を全て代行して貰って、会社と関わらず退職日に退職することになります。

【関連ページ】 必要な退職の手続きのやり方について解説

退職願が受理されなかった場合


退職手順の最初で出す退職願は、あくまで「退職したい」という希望の意思なので、会社側が拒否する可能性もあります。

もしも拒否された場合は退職願ではなく、退職届を提出することになります。

退職届は「退職する」意思を一方的に通告するもので、会社の可否を問わない届出です。

こちらは法律で定められた基準に則った意思表示ではありますが、一方的な退職になる分、円満な退職を望む人には向かないやり方になります。

一般的な会社であれば退職願で受理されるものなので、退職届を出す時はどうしても退職を認められない時の最終手段として提出しましょう。

会社によっては退職願を出した後に、退職届を提出させることもありますが、その場合は形に残る書類として書かせているので円満な退職上でも問題ありません。

【関連ページ】 退職願・退職届の書き方と知っておきたい作法

すぐに転職しない場合に申請できる保険給付


退職後すぐに別の仕事に就ける場合はできませんが、就けない場合は退職に伴う失業手当(失業保険)の申請を行えます。

自分の意思による退職の場合における失業手当の受給資格は「離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12カ月以上あること」が条件です。

その上で受給資格者が職業安定所(ハローワーク)に出頭して求職の申し込みをすることで申請が完了し、失業している日について支給されます。

つまり、退職後に全く何もしてなくても失業手当が貰えるわけではなく、再就職する意思を持って求職活動を行っていかなければいけません。

また、求職を申し込みした日以後において、失業している日が通算して7日に満たない間は待機として失業手当が支給されないなど、これ以外にも細かな条件があります。

それでも収入が全くなくなっている期間に貰える貴重なお金なので、再就職先を探しつつ給付を受けておくことをおすすめします。

【参照】ハローワークインターネットサービス 雇用保険手続きのご案内

健康保険と年金の手続き


退職後すぐに別の仕事に就く場合は、健康保険や年金は再就職先側が申請や管理をしてくれますが、就かない場合は自分で加入する必要があります。

健康保険は加入していないと、病院での治療費が全額負担になり、年金は未納になると将来給付される年金額が減ってしまうので、なるべく手続きしておくべきものです。

健康保険は以下の3つの中から選ぶことになります。

・家族の扶養に入る
・国民健康保険に加入する
・会社で入っていた保険に継続加入する


最も多いのは2番目の国民健康保険への加入で、市役所などの窓口で変更することで加入できるようになっています。

一方、年金は「第2種被保険者」であったところを「第1種被保険者」に変更する手続きを年金窓口で行うことになります。



【参照】全国健康保険協会 退職後の健康保険について
【参照】日本年金機構 会社を退職した時の国民年金の手続き

まとめ

仕事をやめようかのまとめ

今回はトラック運転手と辞めたい理由を中心に辞められない状況の打開策や就職・転職で失敗しないようにする注意点などを紹介していきました。

転職先はトラック運転手で継続して働く場合はすぐに辞めても働き口は多いですが、多いからこそ会社選びは重要になってきます。

金銭面や自由時間など自分の重視したい項目を優先しつつ、トラック運転手として良い環境で働けるよう採用情報を確認していきましょう。

【関連ページ】 トラック会社の選び方「良い会社」と「悪い会社」
この記事の執筆・監修
トラQ編集部 佐藤 哲津斗

運営会社、株式会社しごとウェブの代表。運送業界に貢献できるようにトラQを運営しています。
トラQを使っていただいている皆様の仕事探しのお役に立つことができれば幸いです。

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