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最終更新日:2021-10-27

退職願・退職届の書き方と知っておきたい作法

トラQ編集部

「退職願」「退職届」「辞表」の違い

「退職願」「退職届」「辞表」の違い
退職する時に提出するのは退職願か退職届、もしくは辞表、そう言われたら、どれが正解だったっけ?という方も多いのでは無いでしょうか?

実はそれぞれを提出するタイミングや状況に応じて使い分ける必要があるのです。

【退職願】
退職願は退職を会社に願い出る時に提出します。提出せずに口頭でも退職の意思は伝えられますが、後でいつ申し出たかが問題にならないように、またお世話になった会社ということもあるので、感謝の気持ちも込めて書面で申し出るケースが多いのです。

【退職届】
退職届は退職の意思を会社に伝えたあと、退職が確定した場合に提出します。退職願と同じく口頭でも問題はありませんが、できれば書面で伝えた方が丁寧です。

【辞 表】
会社役員が役を離れる時に提出します。役を離れたあと、一般社員として勤務を続けるケースもあります。また、公務員が退職する時に提出するのも「辞表」ですが、「退職届」と同じ意味合いで使われています。

退職願・退職届の書き方

退職願・退職届の書き方
退職願と退職届の書き方をご紹介します。手書きでもPCで作成しても、どちらでもかまいません。会社によっては決まった様式があったりもするので、その場合はその様式を使いましょう。

用紙、封筒、ペンの種類


【用紙】  
用紙のサイズはA4もしくはB5です。手書きで作成する場合は、白い便箋を使い、羅泉の入ったものを使う場合は、ビジネス用のシンプルで派手ではないものを使います。

【封筒】
白無地で郵便番号の枠の無いものを使います。封筒の大きさは、用紙がB5の時は「長形4号」、A4の時は「長形3号」が適しています。    

【ペン】
ペンは黒のボールペンか万年筆で、油性と水性のどちらを使用してもかまいません。   


退職願・退職届の例


1.冒頭行
「退職願」もしくは「退職届」と書きます。

2.文の導入
本文一行目の下に「私儀」もしくは「私事」と書きます。「わたくしごとではありますが…」という意味があります。

3.退職理由
◇自己都合退職の場合
 
「一身上の都合により」と書きます。自己都合退職の場合は常に「一身上の都合により」と書きます。ここで、実際の退職理由を具体的に書くことはありません。

◇会社都合退職の場合
「事業縮小のため」「退職勧奨に伴い」など、実際の理由を具体的に書きます。
  
4.退職日
退職日は下記のとおりに記入します。

◇退職願 
退職願では退職を希望する年月日を書きます。西暦でも和暦でも、どちらでもかまいません。

また、会社によって違いますが、退職の1ヶ月前までには退職の意思を会社に申し出るように定められていることもあるので、就業規則を確認しましょう。

この場合、退職希望日は1ヶ月以上先に設定する必要があります。

◇退職届
退職届の場合は、退職を願い出た後に、上司などと話し合いをして決定した退職日を書きます。

5.文末の書き方
◇退職願

退職願はまだ申し出の段階なので、「退職いたしたくお願い申し上げます。」とお願いする形になります。

◇退職届
退職届は退職の申し出が受け入れられ、退職日も確定した後なので、「退職いたします。」と宣言する形になります。

6.届出年月日
実際に退職願と退職届を提出する日の日付を書きます。他の日付と同じように西暦か和暦かを統一します。

7.所属と氏名
下の方に書きます。所属も略称ではなく、正式名で書きましょう。名前の下に捺印します。

8.宛名
企業の最高執行責任者宛てに書きます。通常は代表取締役社長です。フルネームで書き、自分の氏名よりも高い位置に書きます。

封筒の書き方と入れ方

封筒の書き方と入れ方
退職願と退職届は封筒に入れて提出するのが一般的です。

【退職願と退職届の折り方】

退職願と退職届は三つ折りにして封筒に入れます。 しっかりと折り目をつけて、ズレのないように丁寧に折ります。

⦁ まず、下から1/3の所で折り返します。
⦁ 次に、上から1/3の所で折り返します。

【退職願と退職届の封筒に入れる方向】

退職願と退職届を封筒に入れる方向ですが、用紙の右上にあった「右上」という赤文字が、封筒の裏から見て右上に反転した状態で位置していると正解です。

【封筒の表面と裏面の書き方】

[表面]
 中央よりやや上側から「退職願」もしくは「退職届」と書きます。

[裏面]
 左下に所属と自分の氏名を書きます。封をしたら糊付をして「〆」の字を上から書きます。

退職願の提出に関する注意点

退職願の提出に関する注意点
まず、直属の上司への退職意思の報告を飛ばしてしまうと、順番がおかしくなります。

たとえ会社の規定で総務に退職願を提出することになっていたとしても、やはりまずは直属の上司へ退職意思を伝えましょう。

退職の1〜3ヶ月前に上司にアポを取る


民法では期間の定めのない雇用契約(正社員)の場合、会社に退職の意思を伝えてから2週間が経過すると、雇用契約は解除される、つまり退職できることになっています。

ただし、実際は各企業がそれぞれに独自のルールを設けていて、退職の1ヶ月前までに申し出なければならない場合や、中には2ヶ月前までに申し出なければならない会社もあるようです。

退職を決めたら就業規則を確認して、会社のルールに則って余裕を持って退職願を作成して提出しましょう。

【参照】厚生労働省 退職の申し出は2週間前までに

郵送する場合は添え状を一緒に封筒に入れる


郵送で提出する場合には、封筒に入った状態の退職願を大きめの封筒の中にそのまま入れて送ります。

その時に退職願のうえに添え状を重ねて一緒に折って入れましょう。


知っておきたい退職の作法


退社することとなった会社とはいえ、お世話になりましたという気持ちで、気持ち良く退社することが大切です。そのために役立つ情報をご紹介します。

退職の意思を伝えるのは繁忙期以外が理想


新しい職場でのチャレンジを最優先に考えるべきで、どうしてもこの仕事にチャレンジしたいという求人が都合の良いタイミングで出るともかぎりません。

ただ可能であれば、繁忙期を避けた方が上司も快く送り出してくれることが多く、気持ちよく次のステップへのスタートが切れると思います。

可能な範囲で繁忙期の退職とならないように努めましょう。

退職理由や退職意思の伝え方


円満に退職するためには退職の理由がなんであれ、「会社や上司への不満や批判」を直球で伝えるのはNGです。

まずは「お世話になったのですが…」と会社や上司に対する感謝の意を伝えたうえで、丁寧に落ち着いた表現で退職の意思を伝えましょう。

あなたがもし会社にとって重要なポジションにいて、退職されては困ると思われていた場合、不平不満を理由にしていたら「改善するから残ってくれ」となりかねません。

また、逆に上司の気分を損ねてしまい、退職に向けての協力が十分に得られないということもあり得ます。

退職理由はやはり、個人的な理由にしておくのがベストです。

同時に、退職の意思が固いことをアピールしたいがために、「なんと言われようと退職します」「○月○日までには退職します」といった一方的な形にならないようにもしましょう。

退職理由として、「今後は○○業界で○○の仕事をしたいと思っています。」と正直に伝え、「○月頃までに退職できればと考えているのですが…」と上司に相談しているような形で進めるのが良いと思います。

【関連ページ】 円満退社する方法と退職の意思の伝え方

業務の引き継ぎは早めのスケジュールで正確に行う


退職前には次の担当者に、自分がやってきた業務の引き継ぎを行わないといけません。

これが疎かになってしまっていると、退職後も新しい担当者から電話がかかってきたりすることもあり得ます。

こちらも慣れない新しい職場でスタートしたばかりなので、前の職場からの電話は負担になります。

そうならないようにするためにも、在職中に十分な引継ぎを行う必要があり、最後の一踏ん張りだと思って早めのスケジュールでしっかりと行いましょう。

困った時の会社への対応例


円満に退職しようと思ったら、上司や会社に気を使って大変ですが、時には対応に困ってしまう時もあります。

【辞めないでと慰留された時】
「あなたに会社を辞められると非常に困る。」「なんとか考え直してくれないか」と慰留された時は、誰しも心が揺らぐものです。

しかし、次の会社の入社日が決まっていたりした場合、立ち止まっているわけにはいきません。

嬉しい気持ちももっともであり、お世話になった会社への情もありますが、「身に余るお言葉を頂戴しまして、ありがとうございます。

ただ、退職させていただく意思に変わりはございません。」と断るところはきっぱりと断りましょう。

【ライバル会社への転職の場合】
退職の意思を伝えた時、次の転職先について聞かれることがあると思います。

必ずこの問いかけに答えないといけないわけではないので、「これから転職活動をします。」とはぐらかしても良いでしょう。

仮に同業のライバル会社へ転職が決まっている場合などは、情報漏洩などデリケートな問題もあります。

あらぬ疑いをかけられたり、噂が広がったりなどということが無いとはいいきれません。

やはり不安要素は作らず、退職への手続きを粛々と進めましょう。

お世話になったみなさんへの挨拶


退職することが決まり、引き継ぎも十分に行い、いよいよ最終出勤日になりました。お世話になったみなさんへの挨拶は、円満退社のために極めて重要です。

同じ営業所で顔を合わせられる人には直接挨拶をするのはもちろんですが、顔を合わせられない人にはメールで最後の挨拶をしましょう。

また、普段あまり関わりのなかった人でも、同業他社へ転職した場合など顔を合わす機会があるかもしれません。

「退職するからいいや」ということではなく、後から後悔しないようにしっかりと挨拶をしておきましょう。

【関連ページ】 必要な退職の手続きのやり方について解説
この記事の執筆・監修
トラQ編集部 佐藤 哲津斗

運営会社、株式会社しごとウェブの代表。運送業界に貢献できるようにトラQを運営しています。
トラQを使っていただいている皆様の仕事探しのお役に立つことができれば幸いです。

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