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最終更新日:2022-03-18

3トントラックの使われ方や運転に必要な免許とコツとは

トラQ編集部
3トントラックの使われ方や運転に必要な免許とコツとは

トラック運転手を募集する会社を見る中で、要件として「3トントラック」という名称が書いていることがあります。

就職・転職先を探す過程でトラックの大きさは、仕事で扱う物や運転免許に関わるとても重要な要素です。

しかし、3トントラック自体が頻繁に見る名称ではないことから、どんなトラックを指しているかはピンとこないかもしれません。

3トントラックとその運転に関するポイントとしては、次のようにまとめられます。

・3トントラックという名称は業界でも使われない時がある
・3トントラックでは車体の大きさや荷物を乗せて運ぶ意識が必要
・3トントラックは車両感覚を掴むまでの時間が必要


これらの項目を含めて3トントラックの免許要件や実際の用途などを紹介していきます。






3トントラックに分類される基準


3トントラックという名称は、トラック業界でも人によってはあまり使われないことがあります。

そこには他の名称との兼ね合いや、運転できる免許が大きく関わっています。

それでは、最初に3トントラックがどのようなトラックを指すのか見ていきましょう。

「3トン」トラックという名称はあまり聞かない?

「3トン」トラックという名称はあまり聞かない?

トラックごとに決められた積められる荷物の重さ上限として「最大積載量」がありますが、3トントラックの「3トン」とはこの重量を指しています。

この3トンという最大積載量は、道路交通法やトラック業界で言う「小型トラック」の基準に当てはまるものです。

小型トラックは3トントラックの他に、最大積載量の違う「2トントラック」も含まれることがあります。

そしてトラックの要件として小型トラックと書かない場合に、この2つの中でよく使われるのは、2トントラックの方が多くなっています。

その理由の一つは、最大積載量の3トンは「3トン未満」であることを指しており、最大積載量は2.9トン以下と表記されることもあります。

そうなると数値的には2トンの範囲内でもあることから、2トン~2.9トンの範囲を総称して2トントラックと呼ぶ場合があるのです。

もう一つの理由は、道路交通法が改正される時に小型トラックの最大積載量の基準が変わったところにあります。

2021年現在の道路交通法における小型トラックは「車両総重量3トン以下かつ最大積載量2トン未満」という条件で、普通免許(2017年3月12日以降)で運転できる基準です。

【参照】全日本トラック協会 5.車種区分

しかし、以前の改正前の2007年6月2日から2017年3月11日の普通免許は「車両総重量が5トン未満かつ最大積載量が3トン未満」という条件でした。

この時期の普通免許は、現在も準中型(5t)限定免許として上記の条件で使えるのですが、限られた時期で取得した人だけの条件になっています。

そのため、現在の小型トラックが運転できる普通免許の最大積載量の方に合わせて、2トントラックの名称の方が使われることがあるのです。

実際の3トントラックの呼ばれ方


先の項目からすると、3トントラックの名称はあまり使われないように思うかもしれませんが、実際にはトラックの販売メーカーや会社ごとに使われ方は違っています。

販売メーカーでは、小型トラックの中で少し大きめの車両を指す時に3トントラックを使い、会社も同様の理由で敢えて2トンと3トンを分けることがあります。

反対にトラックの分類をトンでは表さず、道路交通法の基準に沿った小型トラックや、それ以降の大きさで言い分ける販売メーカーや会社もあります。

トラックの運転は、自分が所持している免許が扱える最大積載量と、扱うトラックごとの最大積載量が食い違わなければ、問題なく運転できるようになっています。

判断する側は少々困るかもしれませんが、トラック運転手の方が販売メーカーと会社の基準に合わせていくしかないのです。

3トントラックという名称は、大まかに小型トラックを指すものと覚えておいて、実際に扱う場合は最大積載量に注目していきましょう。

3トントラックの運転する時の注意点

3トントラックの運転する時の注意点

3トントラックはトラック全体で見ると小さめですが、小型トラックの中では大きめという位置付けです。

今まで乗用車だけを運転してきた人は、様々な部分で違いを感じることになります。

その違いを注意点として見ていきましょう。

車両自体の大きさの違い


3トントラックは小型であってもトラックに分類されることから、全長・車幅・高さといった部分は乗用車よりも大きくなります。

全長や車幅は、カーブや右左折といった曲がる時や細い路地を入っていく時など、乗用車ではあまり感じなかった場面で、危険性や難しさを感じるものです。

高さの部分では、運転席が乗用車の2倍ほど高くなり、これによって操作感やスピード感などの様々な感覚の違いが生じます。

また、荷台に箱が付いたバンボディと呼ばれる形状である場合は、高架下などの高さ制限がある場所に気を付ける必要があります。

乗用車にはない装備や大きさがあるところは、最も感じやすい違いです。

荷物に関する違い


トラックを運転する仕事は何らかの荷物を運ぶ仕事であり、多くの時間で荷物を乗せたままの走行を続けることになります。

そして荷物を乗せ続けたままの走行も、乗用車では滅多にやらないことであり、それに関連した注意が必要です。

急ブレーキや急発進といった行動は、荷台に積んでいる荷物を動かして、荷崩れを起こす可能性があります。

荷崩れ自体は積んでいた箱が崩れるだけですが、その衝撃によって中身の製品を傷つけたり、破損させたりしてしまうと、運送の仕事として最悪の事態です。

急な行動はトラック以外の運転でも危険を伴うものですが、トラックではより仕事への影響も考えて絶対にしない方が良い行動と言えるでしょう。

横転する可能性


3トントラックは大きさだけ見ると、走行にさほど難しさを感じないかもしれません。

しかし実際には、乗用車よりもハンドルを取られたり、横転する可能性も秘めたりしています。

その原因の一つに車体が大きくなることで、風の影響を受けやすくなるところがあります。

重さが増したから動かないのではなく、風の当たる面積が広くなることで、強風時には乗用車以上にハンドルを取られるのです。

特に高速道路を走ることが珍しくないトラックは、スピードに乗った状態では更に横風を受けやすくなり、その分横転するリスクも上がります。

また、手で積み下ろした時にはそれほど重く感じなかった荷物でも、積んだ状態で運転することはある程度車両のバランスに影響してきます。

カーブでスピードに乗ったまま曲がろうとしていた時に、荷台の重さが影響して横転する可能性が高まることもあるのです。

大きな車体で常に荷物を積みながら走ることは、乗用車では起こりづらいリスクを引き起こす可能性があります。

3トントラックを上手に運転するコツ

3トントラックを上手に運転するコツ

3トントラックの運転に注意点はありますが、乗用車と比べて運転が難し過ぎると感じることはほとんどありません。

全体的な感覚の違いはありますが、そこは運転する中で慣れていくもので、その運転にもコツが存在します。

運転のコツは慣れてからも意識していくべきものですが、まずは慣れるためにも最優先して意識してみましょう。

車両感覚を掴むまでのコツ


3トントラックに慣れていく過程で最も重要なのはトラックの大きさを把握して、車両感覚を掴んでいくことです。

その車両感覚を掴むには繰り返し運転していくことが一番なのですが、その過程で接触や破損を起こしながら覚えるわけにはいきません。

そこで車両感覚を掴むまでに心がけるべきコツは、速度を出し過ぎない走行をすることです。

トラックのように座席が高い位置にあると視野が良くなることから、メーターを見ていないと速度を出しやすくなる傾向があります。

そういう意味でも、速度は出し過ぎない方が良いのですが、それ以外にも速度がゆるやかであれば、何か失敗しそうな時でも余裕を持って回避できる可能性が高まります。

例えば、前の車両がやむを得ず急ブレーキをかけてしまった時に、後ろのトラックが急ブレーキを踏んでも、同じ減速で止まれるわけではありません。

これはトラックの車体が大きな分、スピードに乗った状態も続いて、停止までの時間が乗用車より長くなるからです。

そのような状況に対応するには、車間距離を空けることはもちろんですが、速度を出し過ぎずに走行していることで、停止までの時間も調整がスムーズになります。

速度を出し過ぎなければ一定の速度で走っているので、前の車両が露骨に減速しない限りは車間距離が急激に詰まることもありません。

この他にも車線変更や周囲の安全確認など、ゆるやかな走行はあらゆる面で余裕のある行動に繋げられます。

曲がる時のコツ


トラックは車体の大きさは内輪差の大きさにも影響するもので、3トントラックでも乗用車よりは大きな内輪差が生じます。

そのため前提として、曲がる前には周辺に巻き込むものがないか入念にチェックしましょう。

交差点ではバイクや通行人を巻き込むことは、乗用車でもあり得ることで、普段も注意しているとは思います。

しかしトラックはそれに加えて、車体の大きさから曲がっている最中に死角が発生します。

装備されているミラーで確認できる部分もありますが、乗用車と比べると確実に見えない部分も出てくるので、事前の目視確認は絶対するべきです。

そして曲がる際は、カーブする時はカーブさしかかる前、右左折する時はウインカーを出すタイミングで減速することが綺麗に曲がれるコツです。

乗用車でも減速はすべきものですが、車体が大きくないことからそれほど減速していなくても、曲がり切れてしまうことがあります。

しかし、3トントラックのような大きな車両が速度を出したまま曲がろうとすると、ハンドルを完全に切れないこともあり、非常に危険な行動です。

曲がることに失敗するだけなら自分の問題で済みますが、車線を大きくはみ出したり、車体が思わぬ方向に動いたりすると、周辺車両や通行人に接触する可能性もあります。

事前に安全を確認した上で、減速していきながら曲がるように心がけましょう。

バックや方向転換のコツ


3トントラックの車体の大きさで最も難しさを感じる部分は、駐車や方向転換するためのバックの動作です。

車体の大きさはスムーズに動かしづらいだけでなく、運転席から見える反対側(左側)の状態が把握しづらいところにあります。

こちらも曲がる時と同じく死角が発生してしまうので、最初に周囲の確認をしておくことが大切です。

慣れないうちは一旦トラックから降りて確認したり、会社の同僚等に頼める場合は死角となる箇所を見て貰いつつ誘導して貰ったりする方がスムーズにバックできます。

その上でバック自体のコツは後輪をなるべく曲がる角の片方に近づけてバックし始めることです。

後輪と曲がり角に距離があると、反対側の車線をはみ出す、車庫や路地では壁に当たってしまう、などの可能性が高まります。

また慣れていないうちは、方向転換の時はなるべく遮蔽物のない広い場所を選んだり、駐車する場所も周りに他の車が少ない場所を選んだりすると動きやすいものです。

バックも回数を重ねると慣れていく動作なので、慣れるまでは再三の安全確認と動きやすい場所を選ぶことがコツになります。

3トントラックを利用する主な業務

3トントラックを利用する主な業務

3トントラックは、小型トラックの中でもある程度最大積載量があって、なおかつ運転も他の規格のトラックより運転しやすいと言われています。

そんな3トントラックがどのような業務で利用されているかも見ておきましょう。

食品配送業務


3トントラックはスーパーやコンビニといった場所へ食品配送をしているトラックとして多く利用されています。

食品配送の場合、箱型のバンボディのトラックか、そこに冷凍冷蔵機能が付いた冷凍冷蔵車のトラックになることが多いです。

バンボディ系統のトラックで困るところは、荷台が箱型ではルームミラーが使えず、トラックの後方とその周辺が完全な死角になってしまうことです。

ただ近年の食品配送用のトラックには、会社側がバックモニターを標準装備しているところも増えており、本来は死角となる場所もモニター確認できるようになっています。

バックモニターがあるとバック駐車や方向転換も簡単になるので、初心者でも扱いやすいところは大きなメリットです。

配送ルートは県を跨いで大きく移動するというよりは、県内などの一定の地域内にある店への配送が多く、大きく遠出をする必要はありません。

人員の募集は男女・年齢を問わず募集しているところが多いので、トラック運転手として始めやすい就職先の一つと言えます。

【関連ページ】 スーパーやコンビニのルート食品配送ドライバーの仕事内容とは?
【関連ページ】 食品配送のルートドライバーとは仕事内容と業務の特徴を解説

建材の配送業務


3トントラックは庭や駐車場に利用する砂利や石などを運ぶために、建材の会社でも利用されています。

砂利や砂を運ぶ場合は荷台が持ち上がる形状のダンプ型を使うことになります。

砂利や石の運送自体は他の規格のトラックでも可能ですが、中型以上になると本格的な工事や建設で使われることが多いです。

それが3トントラックの場合は、家の庭や駐車場など、少し狭い範囲で砂利や石が必要な時にちょうど良いサイズ感となっています。

砂利や砂の配送は、目的地に着いてからの運搬作業も含まれるので、少し力仕事も必要です。

運送ルートは会社ごとに異なりますが、拠点から見た周辺の県が範囲になることが多いので、極端に遠くに移動することはありません。

食品配送とは異なり、毎日一定の場所へ配送するわけではないので、力仕事が苦ではなく環境に変化が欲しい人は、建材の配送業務の方が向いている可能性があります。

【関連ページ】 建築資材の配送ドライバーの仕事とは?数ある求人情報から探すコツ

その他の業務


3トントラックにはバンボディやダンプ型以外にも、荷台が平らな平ボディや、重い物を吊り上げられるクレーン車など様々な形状があり、それらを使う業務で利用されています。

ただどんな形状でも、県内や県周辺の範囲での配送や運送になるので、各地を転々するのが苦手な人は中型以上のトラックよりも、3トントラックの方が良いかもしれません。

クレーン車は運転免許とは別にクレーン免許が必要になりますが、それ以外は普通免許でも運転できることもあり、初心者でも入りやすいメリットがあります。

3トントラックとその運転のコツ、まとめ


最後に3トントラックに関する情報についてもう一度確認しておきましょう。

・3トントラックという名称は「3トン」の最大積載量を持つトラックを指していて「小型トラック」に含まれるが、会社や販売メーカーによって使わないこともある
・3トントラックでは車体の大きさや荷物を乗せて運ぶことから、曲がる動作や横風の影響など、乗用車とは意識が必要になる
・3トントラックは車両感覚を掴む時間が必要だが、慣れるまでは速度を出し過ぎずに走行することで、車間距離や曲がる際の動作もスムーズになる

3トントラックは名称として使わない会社や販売メーカーもありますが、最大積載量を指すことと小型トラックに含まれることを覚えておけば難しいものではありません。

食品配送や建材配送を中心に様々な業務で必要とされているので、トラックの中でも運転しやすい3トントラックの運転手も就職・転職先の候補にしてみてください。

この記事の執筆・監修
トラQ編集部 佐藤 哲津斗

運営会社、株式会社しごとウェブの代表。運送業界に貢献できるようにトラQを運営しています。
トラQを使っていただいている皆様の仕事探しのお役に立つことができれば幸いです。

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