1. トップページ
  2. 転職ガイド
  3. トラック運転手がきついと思われるところは?
最終更新日:2022-03-17

トラック運転手がきついと思われるところは?

トラQ編集部
トラック運転手がきついと思われるところは?
トラック運転手を就職や転職の候補にする際に、どうしても気になってしまうのは「仕事のきつさ」についてです。

どの職業も一定のきつい面はあるものですが、特にトラック運転手は作業の面や拘束時間の面で、あまり良くないイメージを持つ人もいると思います。

では実際にそのイメージは、どこまでが本当なのでしょうか?

ここではトラック運転手がきついと思われるところや、トラック運転手の現状を中心に解説していきます。



【目次】
1.トラック運転手がきついと思われる要因
 1-1.体力勝負の仕事である
 1-2.拘束時間が長い
 1-3.ブラックな面がある
 1-4.トラック運転手の現状
 1-5.体力勝負ではあるが、ある程度の体力があれば良い
 1-6.拘束時間は仕事内容ごとに異なる
 1-7.ブラックかどうかは会社によって変わる
2.トラック運転手を続ける理由
 2-1.給料が良く、需要が高い
 2-2.最低限のコミュニケーションで済む
 2-3.全国各地を回れる
3.トラックの大きさの基準と仕事内容
 3-1.トラックの大きさの基準
 3-2.大きさごとの配送範囲と積み降ろし
 3-3.中型以上の免許の取得の条件と費用
 3-4.会社による免許取得制度
 3-5.トラックの運転は難しいのか?
4.トラック運転手を目指す際に気にすべきこと
 4-1.会社の労働環境や福利厚生を見る
 4-2.年齢に関すること
 4-3.女性のトラック運転手として働くこと
5.トラック運転手がきついことに関する総括

トラック運転手がきついと思われる要因

トラック運転手がきついと思われる要因
最初にトラック運転手がきついと思われる要因について、挙げていきます。

体力勝負の仕事である


トラック運転手は、長時間の運転をすることや荷物の降ろし作業があることから、かなり体力を使う仕事です。

扱う物にもよりますが、トラックが大型になれば、それだけ荷物も大きくなったり、数が増えたりと、必然的に降ろし作業もきつくなります。

また、次の項目でも触れますが、拘束時間が長い日もあるため、降ろし作業の一つずつは苦でなくても、積み重なって疲労が蓄積してしまうこともあります。

長距離トラック運転手の場合は、長時間の運転も仕事続けていくと慣れていきますが、それでも肩や腰など身体の疲労は積み重なっていくことで表れていきます。

そんな仕事内容であることから、体力があまりない人はもちろんのこと、体力があると自負していてもきつそうに感じてしまうことも多いのです。

拘束時間が長い


トラック運転手は平日や土日祝日に関わらず仕事があり、稼働時間も長く、昼夜を問わず業務がある場合もあります。

長距離トラック運転手の場合は、仮眠を取りつつ1日越えて運転しなければならないこともあり得ます。

サラリーマンのように平日の8時間を基本とするような形ではないため、人によってはこの勤務形態がきつく感じてしまう場合もあります。

ブラックな面がある


トラック運転手の悪い噂として聞こえるのは、残業代が払われない、休日がない、有休を取れないといったブラックな面です。

これらはトラック運転手に限った話ではありませんが、体力のいる仕事で長時間拘束されることから、悪い意味で説得力があるように聞こえてしまいます。

トラック運転手の現状


きついと思われる要因がわかったところで、次はトラック運転手を取り巻く現状を紹介していきます。

体力勝負ではあるが、ある程度の体力があれば良い


トラック運転手が体力勝負であることは、現状でもほとんど変わりがありません。

快適な運転のためのグッズの使用や、降ろし作業の改善などで多少楽になる部分もありますが、総合的に見ていくとやはり体力のいる仕事には違いありません。

ただ、仕事を続けていく中で身体が慣れていくところがあるので、最初から体育会系や体力に自信がある人以外は務まらないというわけではありません。

そのため、トラック運転手に就職や転職を始める人は、ある程度の体力が必要であることを覚えておきましょう。

拘束時間は仕事内容ごとに異なる


トラック運転手の1日の拘束可能時間は13時間であり、状況によっては15時間を超えて運転させられますが、15時間を超えられるのは週に2回までと限られています。

また、1か月の拘束可能時間は293時間、労働協定を結んでいる場合は320時間までですが、1か月単位の拘束時間は年間で6ヶ月までに限られています。

更に、連続して運転できるのは4時間までであり、4時間走った場合は30分以上の休憩が必要になります。

これ以外にも細かい規約はありますが、基本的にはこれらの基準に従って、トラック運転手の運営会社が労働時間の設定をしています。

そして現状では、多く会社が人手不足に悩まされており、人員の募集のために基準に従いつつも、更に改善した労働環境にしている傾向があります。

長距離の場合はどうしても連続して仕事をする必要があり、簡易的な睡眠しか取れないこともありますが、その場合は仕事の後にしっかりと休日が付与されるようになっています。

会社の方針や担当する仕事内容に左右されるため、一概には言い切れませんが、度を越した拘束時間にはならない現状です。

ブラックかどうかは会社によって変わる


昨今は労働問題も厳しく取り扱うことから残業代の未払いや休日・有給の付与は、規定通り与えられていることが多いです。

しかし会社によっては、残念ながら一つ前に紹介した拘束時間の基準を無視したり、サービス残業や有休を取らせてくれないといった不誠実な対応をすることもあります。

大手の会社であれば、労働環境と福利厚生もしっかりしていることが多いですが、小さな会社では、人手不足の件も相まって、シフトを回す余裕がなくなってしまうこともあるのです。

拘束時間のことも含めてブラックであるかは、会社によって大きく異なる現状であると言えます。

トラック運転手を続ける理由

トラック運転手を続ける理由
トラック運転手の業務はきつい面もありながら、多くの方がそれでも働き続けるのは、トラック運転手として良い点があるからです。

ここではトラック運転手の良い点を挙げていきます。

給料が良く、需要が高い



トラック運転手として働き続ける理由で最も大きいのは、やはり給料面が良いところにあります。

きつい仕事である分、高めの給料が保証され、モラルのある会社であれば、そこに残業代も加算されます。

それに加えて、現状でトラック運転手の需要が高く、働き口が多いところも良い点と感じる人が多いようです。

日々の仕事が無くなる心配がないだけでなく、仮にブラックな会社に就いてしまったとしても、次の候補が見つかる、非常に需要の多い業務なのです。

最低限のコミュニケーションで済む


トラック運転手の仕事では、ほとんどの時間は一人で運転する時間になります。

そのため人とコミュニケーションを取るタイミングは、配送前後のやり取りだけで済むことが多く、人間関係のストレスが少ないことに魅力を感じる人もいます。

配送先のお客さんや所属する会社の社員など、しっかり話さなければならない時もありますが、他の仕事に比ると、一人の時間が圧倒的に多くなります。

コミュニケーションが苦手な人や人間関係でストレスを感じやすい人には、良い点と受け止められます。

全国各地を回れる


長距離のトラック運転手に限られますが、仕事として全国各地を回れることに楽しさを感じる人もいます。

運転中に違う景色を楽しめり、各地の名物を食べたりできる他、空き時間があればちょっとした観光もできるのです。

また、同じ土地に繰り返し行った場合も、そのことで全国の地理や道路交通に徐々に詳しくなるので、旅行が趣味であれば、その知識を活かせることもあります。

長時間の運転が苦にならないタイプの方にとっては、まさしく天職と呼べる仕事です。

トラックの大きさの基準と仕事内容

トラックの大きさの基準と仕事内容
トラック運転手と聞くと大型トラックで、長距離を運転するイメージがありますが、それだけではなく、トラックは大きさによって3つに分けられます。

トラックの大きさによって必要な免許や仕事内容も変わってくるので、ここで確認しておきましょう。

トラックの大きさの基準


トラックには大きく分けて「小型」、「中型」、「大型」の3種類があります。
以下はそれぞれの型についてのおおよその基準です。

・小型……積載量2t以下
・中型……積載量4t前後
・大型……積載量10t


このうち小型については普通免許でも運転できるトラックもありますが、規格によっては中型以上の免許が必要となることがあります。

そのため、トラック運転手を募集する項目では、中型以上の免許を持っていることが望ましいとされることが多いです。

【関連ページ】 トラックの種類 名称・大きさ・サイズと小型・中型・大型の違い

大きさごとの配送範囲と積み降ろし


トラックの大きさは積める量や大きさの違いもありますが、主な配送範囲も大きさからおおよその判断ができます。

・小型トラック……市内など狭い範囲での配送
・中型トラック……市内から県内までの範囲での配送
・大型トラック……県外に向けての配送


中型以上になると積む荷物がフォークリフトでの積み降ろしが必要となる場合が増えてきます。

小型トラックでは手作業での積み降ろしが多いですが、小型だから軽い物というわけではなく、重さは担当する仕事内容によって変わります。

そのため、場合によっては小型トラックの方が、積み降ろし際の身体への負担が大きくなるものです。

【関連ページ】 小型トラックの仕事はどうなの?未経験者や女性におすすめ!

中型以上の免許の取得の条件と費用


中型以上が必要な環境で働く場合は、新たに免許を取得していくことになります。

中型や大型の免許は普通免許を取得した上で以下の条件が必要です。

・中型……満20歳以上で、普通免許の取得から2年以上経過している
【関連ページ】 中型トラックドライバーの仕事内容ときついところ・楽しいところは?

・大型……満21歳以上で、普通免許の取得から3年以上経過している
【関連ページ】 大型トラックドライバーはきつい?仕事内容を解説


これに加えて、視力・色別・聴力・運動能力の基準が満たされると、教習所での講習が開始できます。

免許の費用は取得済みの他の免許や場所によって相場は異なりますが、おおよその価格は以下のようになります。

中型……普通免許(AT)所持 15~20万円/普通免許(MT)所持 20~30万円/
大型……普通免許所持 30万円前後/中型免許所持 20万円前後

上記以外にも二種免許や8t限定といった免許もありますが、基本的には普通免許が最も費用がかかり、それから大きくなっていくごとに費用は低くなるものです。

そして、中型と大型の免許取得は通常の教習所への通学以外にも短期間で済む合宿や技能試験のみを行う一発試験といった形式があり、その場合はまた費用が変わります。

いずれにしても10万円単位で取得費用は必要になります。

会社による免許取得制度


中型以上の免許の取得について、金銭的にハードルが高いと感じる人もいるかもしれませんが、会社によっては免許取得制度を採用していることもあります。

つまり募集の時点では、仕事で必要になる免許を所持していなくても、就職後に会社側の負担で中型以上の免許の取得ができるのです。

またトラックの荷物積み下ろし業務には、フォークリフトが必要になる場面もありますが、そのフォークリフトの免許についても、同じく会社負担で取得できることもあります。

トラック運転手の人手不足から、この条件で募集していることも珍しいわけではないので、就職や転職を考える際は、先に募集要項を見ておくことをおすすめします。

トラックの運転は難しいのか?


中型以上の免許の取得について、運転技術の面で不安を感じる人もいるかもしれませんが、トラックの運転も慣れていくことで上達していきます。

先の項目で紹介したように、普通免許を取ってから2年もしくは3年以上経過していることが前提なので、定期的に運転している限り、トラックを動かすこと自体は難しくありません。

違いがあるのは、車両の大きさによる内輪差や死角の違い、横風の影響など、細かな部分が変わってきます。

そのため、教習所で身につけていくのは、トラック特有の運転感覚が主な部分になるのです。

初めは誰も動かしたことがないのが当たり前なので、身構え過ぎずに挑戦していきましょう。

トラック運転手を目指す際に気にすべきこと

トラック運転手を目指す際に気にすべきこと
トラック運転手のきつさの現状と良い点を見た上で、トラック運転手を目指そうと考えている人は、気にすべき項目がいくつかあります。

どちらも仕事を続ける上で重要な要素なので参考にしてみてください。

会社の労働環境や福利厚生を見る


先の項目でも紹介したように、トラック運転手としての仕事がブラックになるかは、会社によって異なるため、就職や転職する会社選びは非常に重要になります。

いくら需要があって転職がしやすくても、面接を受けていくことは労働とはまた別の労力や時間がかかるので、なるべく最初から良い会社に巡り合いたいものです。

まずは基本的な情報として、会社ごとの労働環境や福利厚生をしっかりとチェックしましょう。

特に残業の扱いや休日・有給は継続して仕事を続けていく上で重要になるので、記載された内容にしっかりと目を通してください。

そして、会社から与えられたデータだけでなく、ネット上の情報や面接を受けた際の印象から吟味することも大切です。

あまり多くないコミュニケーションを取る機会の一つが、会社の社員との関わりなので、人間関係を重視するのであれば、面接時の印象は尚更重要になります。

年齢に関すること


会社選びで、免許取得制度が採用されているところを探していると、年齢について制限を設けている場合があります。

会社側としても費用を負担した上で免許取得させる場合は、若手かつ長く続けてくれるような年齢層を望むことは少なからずあります。

長距離での運転や積み降ろし作業でも年を重ねると、身体的に辛くなってくるところもあります。

だからといって、トラック運転手の仕事が年齢で完全に弾かれるわけではありません。

会社によっては、シニア層の採用に積極的なところ、また年齢を考慮した対応してくれるところ、などもあるので、福利厚生等とは別に見ていきましょう。

【関連ページ】 トラック運転手への転職は50代の未経験でもできるか

女性のトラック運転手として働くこと


トラック運転手は男性の仕事というイメージがある人もいると思いますが、女性でも働ける職場であり、実際に働いている方も増えています。

しかし現状でも、中型以上のトラック運転手となると、女性の人数はそれほど多くありません。

ただトラック運転手の会社としては、人手不足であることから、性別に限らず運転手を募集する傾向になっています。

この傾向は女性でも容赦なく重い物を運ばせるというわけではなく、職場環境について性別の差を設けない、そんな対応している会社が増えてきているということです。

そのため、トラック運転手の給料面などの良い点に魅力を感じている場合は、女性でも挑戦しやすい環境になってきています。

福利厚生や免許取得制度を重視しつつ、職場の女性率がわかる場合は、合わせて調べておくと、馴染みやすい会社を見つけられる可能性が上がるでしょう。

【関連ページ】 女性トラックドライバーも大活躍!あるあると給料は?

トラック運転手がきついことに関する総括


トラック運転手は体力が必要な仕事にはなりますが、最初から肉体派である必要はなく、ある程度の体力があれば、続けていく中で身体は慣れていくものです。

拘束時間や休日といった労働環境と福利厚生については、就職する会社に依存する部分が大きく、現状ではより整備が進んでいる会社が増えています。

しかし、中には条件や基準を守らない会社もあるため、他の仕事と同様にトラック運転手として就く会社選びが重要になってきます。

もしも仕事の時間は一人でいる方が良いと思っていたり、給料面をもっと良くしたいと思ったりしている人は、トラック運転手は就職・転職の候補として良いも良いでしょう

一見きつそうに見える職業ですが、やってみると色々とトラックドライバーならではのメリットがあることがわかりますよ!
この記事の執筆・監修
トラQ編集部 佐藤 哲津斗

運営会社、株式会社しごとウェブの代表。運送業界に貢献できるようにトラQを運営しています。
トラQを使っていただいている皆様の仕事探しのお役に立つことができれば幸いです。

関連する記事