1. トラックドライバー求人トラQ
  2. 転職ガイド
  3. 医薬品を運ぶルート配送ドライバーはどんな仕事内容か
最終更新日:2021-11-01

医薬品を運ぶルート配送ドライバーはどんな仕事内容か

トラQ編集部
医薬品を運ぶルート配送ドライバーはどんな仕事内容か
病院や薬局を訪れた時に、トラックから荷物を降ろして何かを運んでいるドライバーを見たことはあるでしょう。

このドライバーは医薬品のルート配送ドライバーといった形で呼ばれる仕事で、トラックのドライバー募集でも見かける仕事です。

そして、医薬品のルート配送ドライバーは食品や建材の配送とは違った形式になっており、仕事がしやすいメリットもあれば、扱う商品による独特のデメリットもあります。

そんな医薬品のルート配送ドライバーの情報は以下のようにまとめられます。

・医薬品のルート配送ドライバーは病院や薬局への配送が主な仕事で営業はしない
・医薬品のルート配送ドライバーのトラックは普通免許でも運転できることが多い
・医薬品のルート配送ドライバーは土日祝日休みで残業が少ない


今回はこれらの項目を含めて医薬品のルート配送ドライバーに関する情報を紹介していきます。







【目次】
1.医薬品のルート配送ドライバーとはどんな仕事?
 1-1.主な仕事内容
 1-2.営業は必要ない?
 1-3.必要な条件・免許・資格
2.医薬品のルート配送ドライバーがしていく実際の仕事内容
 2-1.勤務時間・勤務形態
 2-2.1日の仕事の流れ
 2-3.配送時に注意すべきポイント
3.医薬品のルート配送ドライバーのメリット・デメリット
 3-1.医薬品のルート配送ドライバーのメリット
 3-2.医薬品のルート配送ドライバーのデメリット
4.近年の医薬品のルート配送ドライバー
 4-1.近年のドライバー募集の傾向
 4-2.医薬品のルート配送ドライバーの給料面
 4-3.医薬品のルート配送ドライバーの将来性
5.医薬品を運ぶルート配送ドライバーの仕事 まとめ


医薬品のルート配送ドライバーとはどんな仕事?

医薬品のルート配送ドライバーとはどんな仕事?
医薬品のルート配送ドライバーは、実際に病院や薬局で見かけたことがあれば、何となく仕事内容はイメージできると思います。

反対に見たことがない人は、イメージだけでは別の仕事内容と混同してしまうかもしれません。

まずは医薬品のルート配送ドライバーとして基本的な部分を見ていきましょう。

主な仕事内容


医薬品のルート配送ドライバーは、決められた範囲内にある病院や薬局を対象に、発注された医薬品を配送していきます。

そのため、個人の家に宅配することや、救急車のように個人から連絡されて薬を届けるというような形の配送をすることはありません。

会社としては医薬品卸会社に雇われる形となり、扱う車両としてはワゴン車や荷台が箱型のバンボディトラックを使います。

配送範囲は短距離から中距離で、一定の地域や県内であることが多く、遠くになっても近県で済む仕事が多くなっています。

営業は必要ない?


医薬品のルート配送ドライバーで勘違いされやすいのは、配送と共に先生や店員に対して、薬の営業販売を行わなければならないのではないか…という部分です。

実際にはドライバーが営業することは一切なく、MS(マーケティング・スペシャリスト)と呼ばれる営業担当者が営業を行ってきます。

つまり、医薬品のルート配送ドライバーは、MSの営業によって注文された医薬品を配送する仕事ということです。

ただし薬の受け渡しの際に、対面する薬剤師や先生とのコミュニケーションが少しだけあることから、全く喋らないで済む仕事というわけではありません。

場合によっては、病院や薬局から急な発注や配送に関する問い合わせをされることもあり、本来はMSしかわからないようなことを聞かれる可能性も出てきます。

そのような状況になった時は適切な対応をして、発注の記録や問い合わせ内容の確認をしなければいけません。

過剰に営業トークをする必要はないのですが、最低限の礼儀作法でコミュニケーションは必要な仕事です。

必要な条件・免許・資格


医薬品のルート配送ドライバーは薬を扱うことから、特別な資格が必要だと思うかもしれませんが、薬の処方や調合を行うわけではないので、その点では免許はいりません。

免許としては、ドライバーとして働くための運転免許が必要ですが、医薬品のルート配送ドライバー募集の多くは普通免許で、AT限定可という条件になっています。

ルート配送の範囲がそれほど広くならず、荷物となる医薬品も量があっても大きい物にはならないことから、普通免許の範囲で運転できるトラックが多く使われています。

会社によっては中型・大型トラックを要する場合もあるので、募集要項はよく確認すべきですが、普通免許かつAT限定で良い場面が多いことは、働き始めやすい環境です。

学歴も書かれている場合は、高卒以上と大きな絞られるような条件はないことから、普通免許さえ取得していたら問題ない仕事となっています。

医薬品のルート配送ドライバーがしていく実際の仕事内容

医薬品のルート配送ドライバーがしていく実際の仕事内容
主な仕事内容がルート配送であることは、見たそのままでわかりやすいのですが、実際の仕事では配送以外にも様々な作業をしていきます。

実際の勤務や仕事での注意点について確認していきましょう。

勤務時間・勤務形態


医薬品のルート配送ドライバーは、主に朝から夕方にかけての時間帯で働くことが多く、夜間で配送しているところはほとんどありません。

朝から夕方の時間帯は早番と通常勤務に分かれることがあり、早番では7時台から、通常勤務は8時から9時台に仕事が始まります。

早番の場合は、早く始めた分仕事も早めに切り上がるので、時間帯で損をすることはありません。

早番と通常勤務はシフト制となっているところが多いのですが、夜勤や交代制と違って大きく時間が変わるわけではないので、生活リズムが乱れる心配はないと言えます。

1日の仕事の流れ


ルート配送と聞くと、決まった道に沿って配送するだけと思うかもしれませんが、配送に行くまでの準備段階があるので、運転や受け渡し以外の時間も忙しくなります。

①前日までに注文された伝票を出す

出社して最初に行うのは、前日の締め日までに病院や薬局から注文された商品を伝票として印刷することです。

印刷前に商品の在庫がない場合にMSに報告したり、今朝の入荷分にその商品があるか確認して貰うなどの依頼をしていきます。

検品から配送先の確認まで使うものであり、1日で数回出すこともある重要な作業ですが、詳しくは後述します。

②倉庫で注文伝票を確認しつつ検品作業を行う

注文伝票を出した後は倉庫に行って、ピッキング(出庫)された商品の仲から注文伝票と照らし合わせながら検品していきます。

ピッキングは会社によってピッキング作業をする人が個別でいるところもあれば、ドライバー自身がピッキングからしなければならないところもあります。

いずれにしても時間内に配送するためには、この検品作業をスムーズに行わなければいけません。

しかし商品の中には、ビンに入った医薬品もあり、乱雑に扱うと破損してしまう可能性があるので、作業には慎重さも必要になります。

商品は検品箱に詰めていきますが、中には15℃以下などの温度管理が必要な物もあり、それらは検品箱とは別に保冷バッグに詰めていきます。

③荷物を積んでルート配送を行う

検品箱でまとめた荷物をトラックに積むと、ようやくルート配送を始めていきます。

商品は配送先に届けてサインを貰ったら終わりというわけではなく、注文伝票から商品が揃っているか、配送先側に検品して貰う必要があります。

また、配送中に至急で届ける予定の商品が必要になったという連絡があったら、できる限りルートを変更して届けます。

配送先の順番は、注文伝票から判断してルートを決めるのですが、このような緊急対応が必要な時もあり、必ずしもルート通りに配送できるわけではありません。

④配送し終えたら会社に帰って仕事が残っていれば①に戻る

積んでいる荷物を全て配送し終えたら一旦会社に戻り、それが1回目の配送であれば、続けて伝票の印刷から配送までの流れを繰り返していきます。

この一連の流れは2~4回繰り返され、配送範囲が短距離であるほど、回数は多くなっていきます。

配送時に注意すべきポイント


先にも紹介したように、医薬品のルート配送ドライバーで扱う商品の中には、ビンに入ったものなどを破損する可能性もあります。

また、大事な商品が入っている検品箱が潰れていると、受取を拒否する病院や薬局もあります。

商品の破損は倉庫内では見えているのでわかりやすいのですが、トラックの荷台に積んだ状態では思わぬ動きをしてしまう可能性はありえます。

そのため、配送時の運転は常に丁寧な運転を心がけましょう。

破損の原因となる荷崩れは、急ハンドルや急ブレーキなどの行動から発生するので、普段から丁寧な運転によって防げるものです。

そして、荷物を積む際も無理な積み方をせず、しっかりと固定されるような積み方や配置にしておきましょう。

会社ごとにルールや固定の工夫があるかもしれませんが、急いで積んでいると疎かになりかねない部分です。

医薬品のルート配送ドライバーのメリット・デメリット

医薬品のルート配送ドライバーのメリット・デメリット
医薬品のルート配送ドライバーは病院や薬局と関わる仕事であることから、他のルート配送にはないメリットとデメリットがあります。

ドライバーとして働く際にはこれらのメリット・デメリットを参考にして候補にするか決めていきましょう。

医薬品のルート配送ドライバーのメリット


医薬品のルート配送ドライバーとして得られるメリットは、普段の生活との兼ね合いや長く続けていく中で、ありがたく感じるところが多くあります。

①安定した休日がある

商品の発注とルート配送は、病院が動いている時間帯を基準にしているので、医薬品のルート配送ドライバーも平日の朝から夕方の仕事になっています。

そうなると、休日も多くの病院の基準に合わせて土日や祝日になるので、安定して休日が確保できるメリットがあります。

病院が動いていなければ配送しても意味がないので、突然休日出勤が発生することもほとんどないのです。

②残業が少ない

伝票の印刷から配送までの1日の流れは、決められた時間内でやらなければならないことで、非常に忙しいと言えます。

しかし、時間内で終わった後で無理やりもう一巡することはなく、やることがあるとすれば明日への準備やMSとの情報共有といった時間です。

このことから、医薬品のルート配送ドライバーは残業が少ないというメリットがあります。

早番であっても二つのメリットは変らないことから、自分の時間が作りやすく、仕事に求める条件が安定した休日や一定のリズムで働くことであれば、向いている仕事と言えます。

医薬品のルート配送ドライバーのデメリット


医薬品のルート配送ドライバーでは仕事を始めたばかりでは、慣れるまでに感じやすいデメリットがあります。

①商品を把握するまでに時間がかかる

医薬品のルート配送ドライバーでは、医療に関して特別な知識は必要ありませんが、扱う商品についてはある程度覚えていく必要が出てきます。

倉庫での検品作業は注文伝票を確認して行うものですが、商品のパッケージと名前が一致している方がスムーズな作業を実現します。

しかし初めのうちは、聞き慣れない名前に戸惑ったり、似たような名前で間違いそうになったりと、難しく感じてしまうこともあります。

②勤務時間内の業務が過密になることがある

時間内に終わらせる必要があることから、非常に忙しい医薬品のルート配送ドライバーですが、その忙しさは時期によっても変わってきます。

例えば、インフルエンザが流行する冬の時期では、予防接種のワクチンが必要になるため、いつも以上に配送の頻度や時間が過密になる傾向があります。

また、4月には薬価改定が行われるもので、医薬品の値段が上がってしまう場合は、その直前に発注が集中してしまいます。

このようにウイルスの流行時期など、他の要素によって繁忙期が訪れることがあり、ただでさえ忙しい業務が更に忙しくなってしまうこともあり得るのです。

二つのデメリットは、仕事に慣れてくると気にならなくなるものですが、慣れるまでにこの二つによって合わないと感じる人もいるかもしれません。

近年の医薬品のルート配送ドライバー

近年の医薬品のルート配送ドライバー
医薬品のルート配送ドライバーの様々な面がわかったところで、近年での仕事の需要や給料面についても確かめておきたいと思います。

近年の医薬品のルート配送ドライバーで気になる3つの項目を見ていきましょう。

近年のドライバー募集の傾向


近年では、トラックのドライバー全体が人員不足と言われており、ドライバー需要が非常に高い状態です。

その中で医薬品のルート配送ドライバー募集は、全国各地で一定数あります。

条件としては、普通免許かつAT限定でも良いという会社が多く、未経験も歓迎される傾向があります。

雇用形態は正社員、契約社員の2つが多く、契約社員でも正社員登用ありの条件が出されていることが多いです。

年間休日は休日が土日祝日になることから、120日前後がほとんどを締めており、残業も契約社員の場合は残業なしという条件が提示されることもあります。

医薬品のルート配送ドライバーの給料面


医薬品のルート配送ドライバーは月給で見ると、20万円を基準に、正社員や中型以上のトラックを使うなどの条件で、30万円前後まで上がっていきます。

賞与は年2回が基本であり、そこから考えると平均年収は、約300万円から350万円ほどになります。

この年収は他のトラックのドライバーと比べると、小型トラックより少し下の金額です。

免許の要件が普通免許で良いことや移動距離が短距離中心であることが給料面に影響しています。

メリットにも挙げたように、休日が安定して確保され、残業も少ないので、給料面よりも自由な時間を優先することを考えた場合に、年収的にも悪くない条件と言えるでしょう。

医薬品のルート配送ドライバーの将来性


医薬品のルート配送ドライバーでは、会社は医薬品卸会社、配送先は病院や薬局で固定され、一度働き始めるとこの二つの要素が大きく変わることはありません。

そして病院や薬局という生活の中で、必要とされる場所は無くなる可能性は低く、同時に医薬品とその配送が必要とされなくなる可能性も低いと言えます。

そのため、医薬品のルート配送ドライバーは、仕事として無くなることはほとんどない仕事です。

長く働き続けられる職場であることは、正社員登用を目指す人や勤続年数による給料面のアップも見据える人にとっては、良いと感じられる部分でしょう。

一方で医薬品のルート配送ドライバーから、営業担当のMSや管理職の立場になりたいと考える場合は、ドライバーとして働き続けるだけでは難しくなっています。

医薬品のルート配送ドライバーでは、商品と名前を一致させるだけで十分ですが、営業や管理では、医薬品に関するより専門的な知識や資格が必要となっていきます。

ドライバーの経験自体は無駄にはなりませんが、ドライバー以外のポジションに就くには、個別で資格取得の勉強や転職活動をしなければいけません。

ドライバーとしての将来性は確保されているので、その点は安心して働ける仕事です。

医薬品を運ぶルート配送ドライバーの仕事 まとめ


最後に医薬品のルート配送ドライバーの情報についてもう一度まとめていきます。

・医薬品のルート配送ドライバーは、病院や薬局が発注した商品の配送が主な仕事で、医薬品の営業は行わない

・医薬品のルート配送ドライバーで使うトラックはAT限定の普通免許でも運転できるワゴン車やバンボディトラックが多い

・医薬品のルート配送ドライバーは病院に休日に合わせて土日祝日が休日で、決められた時間内で仕事を終わらせることから残業が少ない


医薬品のルート配送ドライバーは、求められる条件から見ると始めやすい仕事であり、労働環境で見ると、業務の忙しさはあっても働きやすい環境になっています。

他のドライバー募集と同じく、常に人員が求められているので、募集先としても見つけやすい仕事です。

安定した休日がある職場で働き続けたい人は、ぜひ医薬品のルート配送ドライバーを目指してみましょう。
この記事の執筆・監修
トラQ編集部 佐藤 哲津斗

運営会社、株式会社しごとウェブの代表。運送業界に貢献できるようにトラQを運営しています。
トラQを使っていただいている皆様の仕事探しのお役に立つことができれば幸いです。

関連する記事