長距離トラック運転手の生活と気になる年収は

現在トラックの運転手など、運送関係の需要が非常に高まっています。

特に長距離トラック運転手は人手不足で、様々な業者からの求人情報が豊富に提供されています。

長距離トラックの運転手になりたい方は、今がチャンスとも言えます。

しかし、長距離トラックの運転手になったら、どんな生活を送ることになるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。



長距離トラック運転手となったら、以上のような生活になるケースが多いです。

これから長距離トラックの運転手への転職を目指す方にとって気になる情報を紹介するので参考にしてみてください。




まず長距離トラック運転手の定義と、必要となる資格及び優遇される経験を紹介します。

長距離とはどれくらいの距離を指すのか、疑問に思っている方も多いかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。


そもともトラック運転手の仕事は、指定場所まで荷物を運ぶことです。その輸送距離によって、長距離・中距離・短距離と分類されます。



短距離・中距離トラック運転手の場合、お客様のところに荷物を取りに行き、指定場所のお客様に荷物を届ける作業をすることです。

そのため、お客様とのコミュニケーションを取り、荷物や送り状、受領書などの受け渡し作業もしっかりと行うことも重要となります。

一方、長距離トラック運転手の場合は、業務時間の大半を車中での運転で過ごすことになります。

マイペースで運転を楽しめる方には、非常に適した業務内容と言えるでしょう。


長距離トラック運転の仕事において、トラックの種類の定義は特に決まっていませんが、どの運送会社でも長距離トラックと言うと、大型の10トン級のトラックを扱うことになります。

長距離の区間を移動して荷物を運送するので、その分燃料代やメンテナンス費などのコストがかかります。一度の運送でたくさんの荷物を運んだ方が、効率が良いためです。

10トントラックの車両を運転するには、大型自動車運転免許が必要になります。大型自動車運転免許を取得するための条件は、以下に通りです。



大型自動車運転免許も、普通自動車運転免許と同様、自動車教習所に通って取得を目指す方法が一般的です。

教習所によっては、大型自動車運転免許の習得を扱っていないケースもあるので、事前に確認して利用する教習所を選択しましょう。


長距離トラック運転手の仕事に従事するために、最低限必要となる資格は、前述の大型自動車運転免許のみです。

しかし他に、保有していると採用時点や労働条件面で優遇されうる資格があります。

例えば、フォークリフト運転免許などが該当します。

フォークリフトとは、車両の前方に大きな爪を備えた車両で、荷物運搬の際にもっぱら利用されます。

お客様の倉庫で荷物を受け取る際、積み込みをトラック運転手側で行なうケースと、お客様側で荷物をトラック台上まで運んでもらえるケースがあります。

契約条件によって作業内容は異なりますが、自分で積み込みまで行なうケースの場合、フォークリフトの免許を持っていることが条件になっている仕事もあります。

フォークリフトの免許を持っていると、より多くの仕事がこなせるため、収入アップにつながるなど、会社からの信頼も厚くなります。

フォークリフトの免許は、最短5日から1週間程度、4～5万店程度で取得が可能です。長距離トラック運転手を目指す方で、余裕がある方は取得を検討してみてください。


長距離トラック運転手になる前に、短距離・中距離トラック運転手としての経験があると、採用時などに優遇される傾向があります。

もちろん、大型自動車運転免許を持っていると、業務に就くことは可能です。しかし、長距離トラック運転手として、無経験者を雇用しない企業も中にはあります。

大型自動車運転免許取得の条件の一つに、3年以上の普通・中型自動車運転免許取得期間が必要になるので、長距離トラック運転手を目指す方は、まずは運送系の会社で短距離・中距離運転手として従事し、経験を積むこともおすすめです。

運送会社はたくさんありますが、長距離トラック運転手の仕事内容はほとんど同じ内容と言えます。

したがって、一度長距離トラック運転手としての経験を積むことによって、様々な会社で必要とされる人材になります。

長距離トラック運転手の仕事は、一般的には以下になります。



他に付随する作業も時にはありますが、基本的には以上の3つの作業がメインになります。以下、順に解説します。


まず、荷物を受け取るお客様の情報を会社から指示されます。

指示を受ける形態は、短距離トラック運転手の場合、トランシーバーなどで随時連絡を受け取る形式が多いのですが、長距離トラック運転手の場合は、1日あるいは複数日をかけて所定の場所へ運搬することになるため、メモや書面などで指示を受けることが多いです。

お得意先で伺ったことがあるお客様が荷物受取先の場合は、移動の道筋や要領を得ているために、それほど下調べをする必要もありません。

しかし、初めて伺うお客様の場所であることも少なくありません。

あらかじめ道順や指定場所の周辺の道路状況をチェックしておくことが必要になります。大型車両を運転してお客様の指定場所に伺うことになるので、場合によっては車両が通れないケースもあります。

もし、事前にチェックをして移動が困難と判断できた場合は、早めに会社の担当者にその旨を伝えて、指示を仰ぐようにする必要があります。


指定場所で荷物を受け取りトラックに積み込み、これを受け取り指定場所に運んで荷下ろしする必要があります。

言葉にすると単純な作業内容ですが、非常に重要で慎重な対応が必要になる作業です。

お客様の大切な荷物を預かり、無事指定場所まで届けるためには、様々な配慮が必要になります。

トラック上でのラッシング

運送中、貨物がトラック上で動いて破損しないようにしっかりと固定しないといけません。もちろん落下による紛失の危険もあります。

トラック上で動かないよう、ロープや専用器具でしっかりと固定する作業をラッシングと呼びます。

ラッシング技術は様々な荷物を扱う中で身に付けていく必要があります。

雨濡れ防止のためのシート掛け

また、荷物によっては雨濡れ厳禁の場合もあります。トラック全体を覆うシート掛けを確実に行います。これも、シートが運送中に外れてしまわないよう、きっちりと固定することが必要です。

荷物通しの衝突によるダメージ防止のための緩衝材活用

さらに、ラッシングをきちんとしていても、荷物同士が密着していると、運送中にこすれたりぶつかり合ったりして破損の原因となるケースがあります。

荷物の間に布団などの緩衝材をはさみ、ダメージが起こらないように配慮する必要があります。


短距離・中距離トラック運転手の場合、お客様との荷物受け渡しや積み込み荷下ろし作業など、運転する時間以外の作業も頻繁にあります。

しかし一方で長距離トラック運転手の場合は、業務時間のほとんどをトラック車中の運転で過ごすことになります。

そのため、運転が好きな方にとっては大変望ましい労働環境です。長時間のトラック運転が苦にならない方に適性がある職種といえます。

【関連ページ】 大型トラックドライバーはきつい？仕事内容を解説

長距離トラック運転手は、どんな生活を送っているのでしょうか。自宅に帰らず車中泊をすることもやはり少なくありません。

これを苦とするのか、自由で楽しいと感じるのかは、人それぞれの適性・性格によります。勤務する会社、あるいはフリーでトラック運転手を行なう状況な就労形態によっても異なってきます。

以下、会社に勤務して雇用されている、一般的な長距離トラック運転手の生活を紹介します。実際に長距離トラック運転手となってからの生活がイメージしやすくなると思います。


長距離トラック運転手といえば、ほとんど自宅に帰れないというイメージを持っている方も少なくないのではないでしょうか。

しかし実際は一概に帰宅できないという方ばかりではなく、割合として多い、というのが実態です。

長距離トラック運転手と言っても、日中に走行するタイプと、夜間に走行するタイプの2つの形態があります。


お客様からの配達指定時間の要望にもよりますが、大きく分けて以上2パターンの荷物受け渡しタイミングの仕事があります。

運送会社経営側の立場からは、夜間は渋滞が少なく燃料の節約になるので、後者を優先的に選択したいと考えるケースが多いです。

このため、相対的に夜間に走行して自宅に帰宅できないドライバーが多い印象となっています。


長距離トラック運転手が車中泊をする頻度としては、高くならざるを得ないのが現実です。

しかし、近年はコンプライアンスの重視などから、過労につながる就労状況を改善する義務が雇用側にあるため、連続で夜勤を行なう労働内容はなくなってきています。

夜間で長距離運転をした翌日は休息日となり、ローテーションで連続した運転にならないような管理がなされている企業が多くなっているので安心です。

したがって、車中泊の頻度も1週間に多くて3回など、適正に管理されていることが多くなっています。

反対に適正な管理をしてくれない企業には、勤務しないようにすることをおすすめします。体を壊してしまっては、元も子もありません。


長距離トラック運転手が休息をとる場所というと、やはり高速道路のパーキングエリアが多いです。

近年、パーキングエリアは非常に設備が充実していて、パーキングエリアに行くことを目的にした旅行を行なう方も増えているくらいです。

飲食店やコンビニなどがあるのはもちろんのこと、近年では日帰りで利用できるお風呂も備えられたパーキングエリアも増えています。

高速道路を通行しないときには、道の駅などを利用して休息をとるドライバーの方が多いです。長距離トラック運転手の休憩場所として適切な環境は、意外にそろっています。


長距離トラック運転手は、車中泊で仮眠をとるケースが多くなります。短時間の仮眠でしっかりと疲れをとるため、おすすめのグッズがあります。



布団や寝袋は、快眠を取りたい方には必需品です。車内の凸凹が気になる場合は、マットレスを用意すると仮眠も非常に快適です。

また、パーキングエリアや道の駅は意外に騒音や明かりが気になります。耳栓やアイマスクを利用すると、周囲の状況が気にならなくなります。

さらに、スマートフォンなど携帯端末の充電が切れると、非常に不便になります。

携帯型バッテリーがあると安心です。トラックのバッテリーから充電できるタイプの商品を選択しましょう。

長距離トラック運転手として働いている方々は、どんなところにやりがいを感じているのでしょうか。

やりがいの感じ方は人それぞれですが、多くのドライバーの方が感じているやりがいについて紹介します。




長距離トラック運転手になると、もちろん遠くの土地にトラックで移動することになります。

普段の生活圏とは異なる地方に仕事として移動できるので、旅行をしている気分も楽しめたりします。

もちろん通常の旅行のように遊べるわけではありませんが、まさに旅行をしたような気分になれるのは、大きなメリットだと感じている方が多いです。


トラック運転手の仕事は、お客様の荷物を受け取り、指定場所へ届けることです。受取時間と配達時間が決まっていますが、途中の移動に関しては特にルールはありません。

途中で休憩するのも自由で、早めに移動して所定時間まで、近隣で時間をつぶせる場合もあります。

長距離トラック運転手の場合は移動時間が特に長いので、なおさら自由にできる時間が多いことになります。

スタートとゴールの時間さえ厳守してしまうと、あとは自分のペースで仕事ができるのは大きなメリットです。


運送の仕事は、社会のインフラとして、なくてはならないものです。

スーパーやコンビニに商品がいつも品切れすることなく陳列されているのは、ひとえに運送部門で働くトラック運転手の方々の努力のおかげです。

荷物を運ぶこと自体は単純な作業ですが、自分が運んだ荷物がどのように活用されているか考えてみると、一般市民の社会生活の維持に大きな貢献をしていることが感じられ、大きなやりがいとなります。


最後に、長距離トラック運転手の気になる年収について紹介します。勤務する会社によって違いはありますが、公的機関が発表している調査結果をもとに、平均的な年収の金額を紹介します。

およそ450万円

厚生労働省が実施する賃金構造基本統計調査によると、2019年度のトラック運転手の平均年収は、およそ450万円という結果が提供されています。

（参考：賃金構造基本統計調査）

これは運転の距離を問わず、トラック運送に従事する従業員の平均なので、長距離トラック運転手の場合は、この金額よりも平均が上回っていることが予想されます。

以前は、運転をするほど稼げる、儲かる職業という印象を持たれることもありましたが、近年は企業のコンプライアンスの問題から、過重労働は厳禁となっており、以前のような残業や休日出勤による収入増加が難しくなっています。


長距離トラック運転手として活躍する手段は、運送会社に就職して雇用される以外に、独立して個人事業主として従事する方法もあります。

自分でお客様から運送の仕事を受注し、自分でこなし収入を得る形式になります。仕事をこなすほど比例して収入が上昇する、やりがいのある形式です。

ただ、安定的な仕事を得られるようになるには時間がかかります。

お客様からの信頼を得られないと、それほど仕事をこなせるわけではなく、最悪の場合収入が激減してしまうリスクもあります。

長距離トラック運転手という仕事にこれから挑戦しようと考えている方は多いかもしれません。

もちろん楽な仕事ではありませんが、やりがいも十分にあり、メリットも多い仕事です。

大型車両の運転に自信がある方、挑戦したい方は是非チャレンジしてみてください。

近年は、運送部門に従事する人材の需要が非常に高まっているので、チャンスの時期でもあります。

【関連ページ】 長距離ドライバーの求人情報