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最終更新日:2021-11-01

2トントラックの運転に必要な免許とは 普通免許で運転可能?

トラQ編集部
2トントラックの運転に必要な免許とは 普通免許で運転可能?
2トントラックは小回りが利き、小道も自在に走れるため、地域内のルート配送や近場の配達といった面で大変重宝されています。

「2トントラック=小さいトラック」といった認識はあっても、2トントラックがどの免許で運転できるのか、また2トントラックが具体的にどんなトラックかまでは詳しくはわからないかもしれません。

ここでは、以下のポイントについて解説します。

・2トントラック運転に必要な免許
・2トントラックの定義や種類
・2トントラックが活躍する場
・2トントラックに向いている人の特徴

それでは1つずつ説明します。



【目次】
1.2トントラックの運転に必要な免許とは?
 1-1.現行普通免許の方は「準中型免許」の取得推奨
2.2トントラックの免許の取り方は?
3.2トントラックの規定
 3-1.2トントラックの定義とは?
4.2トントラックの形状
 4-1.平ボディ
 4-2.バンボディ
 4-3.冷蔵冷凍車
5.2トントラックが活躍できる職種
 5-1.平ボディのトラックが活躍できる職業
 5-2.バンボディのトラックが活躍できる職業
 5-3.冷蔵冷凍車のトラックが活躍できる職業
6.2トントラックドライバーの「向き/不向き」
 6-1.2トントラックドライバーに向いている人
 6-2.2トントラックドライバーに不向きな人
7.2トントラックは普通免許と準中型免許で運転可能!

2トントラックの運転に必要な免許とは?

2トントラックの運転に必要な免許とは?
2トントラックは普通免許で運転できる場合もありますが、すべての普通免許で2トントラックが運転できるわけではありません。

普通免許は【①平成19年6月1日まで②平成19年6月2日~平成29年3月11日まで③平成29年3月12日以降】の3つに区分されます。

どのような違いがあるのか以下の表にまとめます。

普通免許の種類車両総重量最大積載量乗車定員
平成19年6月1日までに取得8トン未満5トン未満10人以下
平成19年6月2日~平成29年3月11日までに取得5トン未満3トン未満
平成29年3月12日以降に取得3.5トン未満2トン未満

いずれの免許でも小型トラックの運転は可能ですが、平成29年3月11日までの普通免許と現行の普通免許では、運転できるトラックに大きな差があります。

「表を見た感じ、現行の免許でも2トン積めるし、重さも3.5トンまでだったら2トントラックの運転はOKでしょ?」

このように思われるかもしれませんが、車両総重量とは車両自体の重さ、乗員、荷物といった、すべての重さを足して導き出されるものです。

車両自体の重さは、満タン時を仮定したガソリンやエンジンオイルの重量、バッテリーの重さなども含まれます。

それに荷物の重さを足して3.5トン未満に収めなければならないので、積める荷物の量は限られてくるのです。

そのため、2トントラック運転手の募集をかけている企業では、普通免許のみの方は採用しないケースも少なくありません。

つまりトラック運転手の面接において、普通免許のみでは不利ということです。

それでは、現行の普通免許を持っている方はどうしたらトラックの運転の幅を広げられるのでしょうか?

現行普通免許の方は「準中型免許」の取得推奨



現行の普通免許を所持する方が2トントラックを運転する場合、「準中型免許」が必要となります。

準中型免許を取得すると、以下の規格のトラックを運転できるようになります。
車両総重量最大積載量乗車定員
準中型免許7.5トン未満4.5トン未満10人以下

2トン~4トントラックまでが運転可能となり、運べる荷物の量も種類も増えるので、自然に仕事の幅が広がりますよね。

トラックドライバーを志す方は、準中型免許の取得をおすすめします。

2トントラックの免許の取り方は?


2トントラックを運転するためには、次の2つが必要です。

①普通免許を取得する
②準中型免許を取得する

「普通免許で運転できる!」と謳う求人広告は多数ありますが、やはり普通免許ではトラックを運転するには心許ないものがあります。

トラック運転初心者のうちは、普通免許で運転できる程度の2トントラックを運転するのも一つの方法ですが、長くトラックドライバーを続けるのであれば、準中型免許の取得は視野に入れるべきでしょう。

ちなみに準中型免許は、普通免許取得済みの場合、第一段階は技能13時限、学科1時限と修了検定・卒業検定を受けて終了となります。仮免許学科試験はありません。

また、免許なしの状態から中型免許を一気に取ろうとすると、技能41時限、学科27時限分の講習を受け、修了検定、仮免許学科試験、卒業検定の3つの試験を受けないといけません。

2トントラックの規定

2トントラックの規定
小型トラックは総じて「2トントラック」と呼ばれることも多いのですが、小型トラックには3トントラックも含まれます。

荷物を多く積めることから、3トントラックが選ばれることも多いのですが、2トントラックはペーパードライバーやトラック初心者でも運転しやすいのが特徴で、狭い道でも困らないメリットがあります。

小型トラックの規定は、以下によって異なります。

①道路運送車両法
②道路交通法
③メーカー

まず、道路運送車両法におけるトラックの規定では車のナンバーが決定されるため、全長×全幅×全高の車両のサイズを基にトラックを規定します。

以下に提示する規定は4ナンバーのものです。これ以上の大きさになると1ナンバー扱いになります。

①道路運送車両法
区分全長全幅全高
道路運送車両法4.7m以内1.7m以内2.0m以内

一方、道路交通法とメーカーでは最大積載量と車両総重量により区分します。

②道路交通法・③メーカー
区分最大積載量車両総重量
道路交通法2トン未満2トン~4トン未満
メーカー2トン以上4.5トン未満3.5トン以上7.5トン未満

このようにトラックは細かく規定が定められているので、トラックを運転する際は、上記の規定から外れていないか確認するようにしましょう。

2トントラックの定義とは?


簡潔に2トントラックの定義を示すと「車両総重量5トン未満で、最大積載量は2.0トン~2.9トン未満のトラック」となります。

2トントラックのボディは、大きく下記の3つに種類に分けられます。

①ショート
②ロング
③超ロング(ワイドロング)


それぞれの全長と全幅の目安は以下になります。

【車両寸法】
ボディの種類全長全幅全高
ショート4.7m1.7m2.2m
ロング6.3m1.9m
超ロング(ワイドロング)6.3m2.2m

【荷台寸法】
ボディの種類全長全幅全高
ショート3.1m1.6m3.8m
ロング4.3m1.7m
超ロング(ワイドロング)4.3m2.0m

一般的に「初心者でも運転しやすい」と言われているボディタイプは、トラックの標準サイズである「ショート」です。

AT免許のみでも運転できるトラックも多数あるので、トラック運転初心者はショートボディを選ぶと良いでしょう。

2トントラックの形状


2トントラックと一言でまとめても、トラックの本体部分にあたるシャシーに、どの上物を搭載するかによっても、最大総重量や積める荷物の種類が変わってきます。

2トントラックの形状にはいくつか種類があるので、1つずつ解説しますね。

平ボディ


「平ボディ」とは荷台が平たいトラックのことで、最もスタンダードな型を指します。

高床タイプと低床タイプがありますが、荷物の積み下ろしの回数が多い場合は低床タイプの方が便利です。

平ボディは屋根がないので、雨天時は荷物が濡れるというデメリットがありますが、荷物の積み下ろしが楽というメリットもあります。

バンボディ


「バンボディ」とは、荷台に箱が付いたトラックを指します。箱はアルミ製であるなど、ホワイトボード材など比較的軽い材質で作られています。

積載物を固定するレールや、荷物の出し入れをスムーズにするために、荷台の床にパレットローダーを付ける方も多いです。

バンボディは雨風をしのげるため、濡らしたくない物を運ぶ際に大変重宝しますが、保冷機能はないので、生モノの配送には向いていません。

冷蔵冷凍車


「冷凍冷蔵車」は、荷台部分の箱に冷凍冷蔵機能を搭載したトラックです。設定温度は大きく2種類あり、-30℃の低温タイプと-5℃を維持する中温タイプとなっています。

冷凍冷蔵車で最も利用されているのは「機械式冷凍車」です。エンジンで内蔵のコンプレッサーを動かして、コンデンサーに冷気を送って庫内全体を冷やすタイプです。

もう一つ使われている型として「蓄冷式」がありますが、これは事前に凍らせた冷却板で庫内を冷やすというもので、近場での配送に向いています。

2トントラックが活躍できる職種

2トントラックが活躍できる職種
前提として、2トントラックをはじめとする小型トラックは長距離の移動には向かないため、近距離の配送がメインとなります。

地元で名の知れた企業の配送は、小型トラックで行われることが多いでしょう。

また待遇面ですが、月給は平均して20万円前後です。小型トラックは日帰りできる範囲でしか配送しないので、時間的な拘束時間は中型・大型トラックに比べて少ないです。

そのため、給与額も中型や大型トラックよりは少なくなるのです。

平ボディのトラックが活躍できる職業


平ボディの2トントラックは、主に不用品回収に利用されることが多いです。

不用品回収業を行う場合は「一般廃棄物収集運搬業許可」を、リサイクル目的の回収の場合は「古物営業許可」といった許可証を取得しましょう。

「一般廃棄物収集運搬業許可」は各市町村役場で、「古物営業許可」は警察に申請します。それぞれ必要書類や応募条件など多数あるので、実際に不用品回収できるまでに多少時間がかかります。

不用品回収のほかにも、ちょっとした荷物を運ぶ際に便利なので、地域の運送業者でも活躍し、土木業者が資材を運ぶ際にも利用されることが多いです。

「平ボディ」はオープンタイプのトラックなので、「濡れてもさほど支障がない大きな荷物」を運ぶ際に役立つトラックです。

バンボディのトラックが活躍できる職業


バンボディの2トントラックは物流向きです。あらゆる雑貨や洋服などの商品の運搬や、引越し時にも利用されます。

ショートの荷台は3畳半程度の空間があるので、引越しで利用する際は1LDKまでの荷物を積めるでしょう。

ロングの荷台のスペースはおよそ5畳分です。2DK程度の家具家電、雑貨などの荷物が載せられるでしょう。引越し時に2トントラックのロングを運転する場合は、大型の家具を運ぶ場合が多いです。

いずれにしても引越し業者で働く場合は、荷物の積み降ろしが他のトラックドライバーよりも格段に多いため、体力自慢の方を募集する企業が多いです。

繁忙期は何件も回るのが普通で、かなりハードな仕事なので、「体力を付けるために…!」のように、安易な気持ちで引越し業者に応募するのは避けたほうが良いでしょう。

冷蔵冷凍車のトラックが活躍できる職業


冷蔵冷凍庫のトラックは、主に生鮮食品や冷凍食品などの配送に利用されます。もちろん冷凍冷蔵車の設定温度によって、運べる商品は異なります。

低温タイプではアイスクリームや魚など、凍った状態を保つべき食材の配送に向いています。

一方の中温タイプでは野菜やお惣菜など、一定の温度を保って品質を保持する必要がある冷蔵食品や、高温多湿を嫌う精密機器の配送にも利用されます。

2トントラックドライバーの「向き/不向き」

2トントラックドライバーの「向き/不向き」
「トラックドライバー」と一言でまとめても、小型・中型・大型とトラックのサイズも異なり、仕事内容も変化してきます。

ここからは2トントラックのドライバーに向いている人・向いていない人の特徴を具体的に見ていくので、どのトラックを運転するか迷っている方はぜひ参考にして下さい。

2トントラックドライバーに向いている人


それでは最初に、2トントラックドライバーに向いている方の特徴と「どのような業務があるから向いていると言える」という理由まで解説していきましょう。

運転が好きな人


もともとドライブ好きな方は、トラックドライバーに向いています

大好きな運転を仕事に活かせることに加えて、2トントラックの運転感覚は自動車とそんなに変わらないので、本当に車でドライブしている感覚で仕事に励めるかもしれません。

ただ「趣味のドライブと仕事とは別」と考えている方は、運転が好きだとしてもトラックドライバーは避けた方が良いでしょう。

人と触れ合うのが好きな人


2トントラックは地域内の配送や、決まったルートでの配送を担当することが多いです。

そのため取引先の担当者と関わることが必然的に多くなるので、コミュニケーション能力も問われるのです。

引越し業者でも同じですよね。一緒に働く仲間はもちろん、依頼主と関わることもあるのでコミュニケーション能力が高い方が、より快適に職務に励めるでしょう。

このような理由から、接客が得意な方や人と触れ合うのが何より大好きだという方には2トン・3トントラックといった小型トラック配送が向いていると言えます。

仕事上の時間的拘束が少ない方が良い人


2トントラックは小型トラックであり、当日中に終わるルート配送がメインになるので、指定時間に合わせてルートを回り終えたらノルマ達成でその日の仕事は完了、帰宅となるのが普通です。

中型トラックや大型トラックでは、数日かけて目的地まで運転する場合もあるので、「毎日家に帰りたい」「運転は好きだけど短い時間が良い」という方は、2トントラックドライバーに向いているでしょう。

いずれ大型トラックを運転したい人


いずれは大型トラックを運転したいけど、いきなり大型は怖いという方は、まず2トン・3トンなどの小型トラックから運転を始めてみましょう。

とりあえずトラックドライバーになりたいと思っている方は、まずは無理せず2トンの運転で感覚を掴むのも良いでしょう。

2トントラックドライバーに不向きな人


それでは続いて2トントラックの運転には向かない方の特徴をお話します。

飽き性な人


同じルートばかり走るのは飽きる、地元だけで配送するのは飽きると感じる方は、2トントラックの運転に向きません。

ほぼ毎日同じ場所へ配送し、ほぼ同じ担当者と毎日顔を合わせるのが苦痛に感じる方は、2トントラックの運転には向いていません。

「飽き性だけどトラックを運転したい!」という方は、配送距離が遠く、日々新鮮さを味わえる中型トラックや大型トラックの運転を視野に入れましょう。

頻繁に乗り降りするのが嫌な人


2トントラックは近場の配送がメインで、チェーン店をいくつも回るパターンが多いので、運転席から出て荷物を降ろす回数もその分多くなります。

1回車両に乗り込んだら目的地は1カ所が良い、そこで荷物を一気に降ろしたい」と思うのであれば、小型トラックや中型トラックよりも、大型トラックのドライバーになることをおすすめします。

2トントラックは普通免許と準中型免許で運転可能!


ここまで2トントラックを運転できる免許の種類や免許取得方法、2トントラックの規定や種類などお話してきました。

最後に重要なポイントを今一度振り返ってみましょう。

・2トントラックの運転に最低限必要な免許は「普通免許」もしくは「準中型免許」。
※平成29年3月12日以降に発行された普通免許の場合は準中型免許の取得推奨
・2トントラックの定義は車両総重量5トン未満で、最大積載量は2.0トン~2.9トン未満
・2トントラックは小型トラックに分類され、狭い道を通れて小回りが利くことから近場の配送を任されることが多い。
・2トントラックの荷台は「平ボディ」「バンボディ」「冷凍冷蔵車」が代表的。
 →「平ボディ」は不用品回収や建築現場における資材搬入の際に活躍する。
積み下ろしは楽だが雨に濡れる。
 →「バンボディ」は生モノでない商品を運ぶ際や引越しで活躍する。
荷物が雨風にさらされることがない。
 →「冷凍冷蔵車」は生鮮食品の配送で役立つ。低温タイプと中温タイプの2種類がある。
・2トントラックドライバーは地域とのかかわりを強めたい人におすすめ。反対にルート配送が性に合わない人には2トントラック不向き。

2トントラックは小型で、自動車に近い感覚で運転できるので、トラックドライバー初心者はもちろん、運転初心者でも運転できるというメリットがあります。

トラックドライバーとして長いこと勤めたいと考えているなら、少しお金と時間はかかりますが、普通免許だけでなく準中型免許の取得を推奨します。
この記事の執筆・監修
トラQ編集部 佐藤 哲津斗

運営会社、株式会社しごとウェブの代表。運送業界に貢献できるようにトラQを運営しています。
トラQを使っていただいている皆様の仕事探しのお役に立つことができれば幸いです。

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