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最終更新日:2021-10-30

8トントラックの運転に必要な免許は大型免許

トラQ編集部
8トントラックの運転に必要な免許は大型免許

8トントラックは増トントラックの一種で、4トントラックの車体をベースに、荷物をたくさん積めるよう車体を強化したものです。

車両の寸法自体は4トントラックをベースにしているため、中型トラックと同じですが、積載量が中型トラックよりも大幅に増加するため大型自動二輪免許でしか運転できません。

ここでは、8トントラックの運転に必要な免許に関連して以下のことがわかります。

・8トントラックの運転に必要な免許と取得までの期間
・8トントラックの規定
・8トントラックの活躍する場
・8トントラックを運転するメリット

それでは1つずつ見ていきましょう。

8トントラックの運転に必要な免許は?

8トントラックの運転に必要な免許は?

前提として、8トントラックの運転には「大型自動二輪免許」が必要です。

増トントラックの分類なので、中型トラックとして区分されてはいます。

中型免許では車両総重量7.5トン以上11トン未満、最大積載量4.5トン以上6.5トン未満までの車両しか運転できないので、総重量が13トン以上、積載量8トン前後になる8トントラックの運転はできません。

大型免許は「車両総重量11トン以上/最大積載量6.5トン以上/乗車定員30人以上」の大型自動車を運転できる免許です。

ちなみに平成19年6月1日までに取得した普通免許には「8トン限定中型免許」の表記があります。

しかしここで言う「8トン」とは、車両総重量を指しているため、この普通免許では8トントラックの運転ができません。

8トントラック免許取得方法や取得までの期間は?


8トントラックを運転するために必要な大型免許を取得するには、まず以下の条件をクリアする必要があります。

・21歳以上、普通免許取得後3年以上経過していること。
・視力は片目0.5以上、両目0.8以上。深視力2.5mの距離で平均誤差2cm以内。赤・青・黄の3色が識別できること。
・聴力は10mの距離で90dBの警報音を聞き取れること


中型免許は20歳から取得できるのに対し、大型免許は21歳以上、最低でも3年以上の運転経歴が求められます。

車両が大きくなる分、運転難易度も上がるので、入校時から安定した運転スキルが求められるのです。

大型免許取得までの期間と費用は?


入校から大型免許取得までの流れは、大まかに以下のようになります。

教習所内で運転練習→修了試験→路上技能検定→適正検査→免許証交付
免許の取得方法としては、①教習所に通学する、②合宿で取得するかのどちらかです。

免許取得までの講義数、最短時間の目安は次の表にまとめるので参考にして下さいね。

所持免許第1段階第2段階合計
免許なし学科10/技能16学科16/技能20学科26/技能36
普通免許(MT)学科0/技能14学科1/技能17学科1/技能31


期間としては通学免許も合宿免許も最短14日程度となります。ただし、平成19年6月1日までに取得した8トン限定の普通免許については、最短9日で取れる教習所もあります。

大型車両は基本的にMT車になるので、「いずれ大型免許が欲しい」と考えているのであれば、普通免許の段階でAT限定ではなく、最初からMTを取得していた方が楽でしょう。

費用は通学で25万円前後、合宿で20万円前後です。まとまった期間を免許取得に費やしても良いという方は、合宿免許で取得した方が費用的にはお得です。

8トントラック運転の際の注意点


8トントラックは、4トントラックベースとはいえ貨物量が多いので、運転の感覚は違います。

まず積載量が多いので、スピードを出しすぎないよう注意しましょう。

積載量が多い車両は、スピードを出しすぎると風に煽られやくなるため、横転の危険性が高くなります。

「早く現場に着かなきゃ」と焦っていても、スピードを出しすぎないよう安全運転を心掛けましょう。

次にブレーキの面です。車体の重量が増えるほどブレーキの効きは鈍くなります。早めにブレーキをかけ始めなければ、停車できません。

コツをつかむまでは大変かもしれませんが、練習を重ねて8トントラックの感覚を掴んでいきましょう。

8トントラックの規定と種類は?

8トントラックの規定と種類は?

8トントラックは、【車両総重量13トン以上15トン未満、最大積載量8トンまで】のトラックを指します。

車体は4トントラックと同じ規格で【全長7,600mm×全幅2,200mm×全高2,680mm】です。「見た目だけでは4トントラックと見分けがつかない」という人が多いのも納得ですよね。

荷台を広くして8トンの重さに耐えられるようトラックの土台や足回り補強しているのも影響して、車両総重量は重くなっています。

また、道路運送車両法とトラックメーカー、道路交通法では8トントラックの区分が異なるのでチェックしておきましょう。

【寸法で区分:道路運送車両法】


区分全長全幅全高
道路運送車両法12,000mm以内 2,500mm以内3,800mm以内


【重量で区分:トラックメーカー/道路交通法】



区分積載量総重量
トラックメーカー5.0トン以上 5.0トン以上
道路交通法6.5トン以上 11トン以上


増トントラックが上記の規定に当てはまっているのに、気付かないまま大型免許を持たず中型トラックとして運転してしまうドライバーもいるようです。

大型免許を取得してしまうとこの問題は解決できるので、やはり増トントラックを運転するのであれば、大型免許を取得すべきでしょう。

8トントラックの種類と活躍の場


ここまで8トントラックの規定についてお話しましたが、次は8トントラックに多い上物の種類と各車両が活躍できる業務についてお話します。

出回った当初は鉄道コンテナ用の運搬車として活躍していましたが、今は8トントラックは様々な現場で重宝されています。

同じく増トントラックに分類される6トントラックよりも積載量が多いので、より大型トラックに近い活躍を期待できるのです。


8トントラックの種類特徴と活躍の場
平ボディ屋根がないタイプの荷台。鉄鋼を現場へ直接配送することが多い。業務時間数としては他の8トントラックの種類よりも少ない。
バン/ウィングボディ屋根があるタイプの箱型の荷台。ウィングボディはその箱の両側が翼のように開くタイプ。部品便を担うことが多い。引越しの際に利用する場合は10畳分の荷物が運べる。
冷凍冷蔵車冷蔵・冷凍機能が付いた箱型の荷台。生鮮食品や冷凍食品を運ぶのに活躍。県境をまたぐ配送が多くなる。
タンクローリー燃料を運ぶタンクが荷台に設置されたタイプ。指定の基地で燃料補給し少し距離のある場所へ燃料を運ぶ際に活躍する。冬場は特に忙しい。
ダンプ荷台が油圧により浮き上がり、積載物を流し出すことができる。荷台に土砂や鉄くずなどを載せ、建設現場へ運搬する。土砂ダンプと土砂禁ダンプの2種類がある。


大型トラックは長距離配送がメインとなり、積み降ろし作業も小型・中型トラックに比べて大変です。

そのため、体力に自信がある人でないと厳しいのですが、大型トラックドライバーには「日々違う現場へ長距離ドライブで向かえる」という楽しみもあります。

ちなみに、トレーラーや自走不可能な車を引っ張れる「牽引免許」も取っておくと、仕事の幅がますます広がるのでおすすめです。

大型トラックドライバーの給料は?


大型トラックドライバーは小型トラックや中型トラックのドライバーよりも待遇が良く、月収は30万前後、稼ぐ人は50万円を超えるとも言われています。

8トントラックの場合は中距離でたくさんの荷物を運ぶ場合に多用されるので、中型トラックと同じような配送ルートを回る場合は、月収が25万円~30万円程度になるでしょう。

長距離配送となると時間的な拘束や身体的な負担も大きいので、その分給与面でも手厚く保証している企業は多いのです。

トラックドライバーとしてたくさん稼ぎたいという方は、大型免許の中でも比較的運転しやすい8トントラックドライバーをおすすめします。

8トントラックは特に過積載に注意!


8トントラックに限らず増トントラックは、ついつい荷物を積んでしまいがちで、無意識のうちに過積載運転をしてしまうドライバーも居ます。

しかし、過積載運転をすると反則金と減点という罰則が課せられます。

反則金と原点については以下の表にまとめているので参照してください。

【大型車・中型車の過積載についての罰則】

過積載の程度違反点数反則金
10割以上6点6カ月以下の懲役又は10万円以下の罰金
5割以上10割未満3点40,000円
5割未満2点30,000円


最大積載量の10割以上を積んでしまった場合、上記の罰則に加えて即免許停止処分になるので、気を付けましょう。

なぜここまで過積載に対する罰則が厳しいのかというと、トラックが過積載のまま走行してしまうと、事故が起きる危険度が増すからです。

車両が重くなるとブレーキを踏んでから止まるまでの制動距離が長くなりブレーキが間に合わないという事態になりかねません。

もしも前の車両に突っ込んでしまうと、衝突時の衝撃が非常に大きくなり、大事故を起こすおそれもあります。

また、過積載だと荷物のバランスが取りづらく、風に煽られ反対車線にはみ出したり横転したりするおそれがあります。

過積載は環境にも悪影響


過積載運転をすると、車両に負担がかかるというのは容易に想像がつくと思います。

重量が増えるほどにたくさんの燃料の消費につながり、排気ガスも増え、大気汚染にもつながっていきます。

今は環境に配慮する企業が増えているため、環境への影響にはとくに敏感になる必要があります。環境に配慮するためにも、荷物の積みすぎには注意しましょう。

8トントラックを利用するメリットとは?

8トントラックを利用するメリットとは?

8トントラックは中型トラックなのに、大型免許で運転しなければならないという複雑な規定があるにもかかわらず、なぜ大型トラックではなく8トントラックが支持されるのでしょうか?

理由は「大型トラックよりもあらゆる面で低コストに抑えられる」からです。

8トントラックは車体が4トントラックなので、中型トラック扱いです。

そのため、車体を購入する際の費用や車体の維持費が、大型トラックより大幅に安く済むというメリットがあります。

配送の現場では、「大型トラックを使用するほどではないが、貨物量が多く、中型トラックではまかないきれない」という場面がよくあります。

同じく増トントラックで需要の高い6トントラックであっても、重量オーバーで積めないという状況に陥ることもあります。

しかし6トントラックのドライバーは、中型免許しか持っていない場合も多く、気軽に「じゃあ8トントラックに変えよう」というわけにもいきません。

そんな時に活躍するのが、大型免許を持っている8トントラックドライバーです。

8トントラックは大型トラック顔負けの積載量でありながら、車体がコンパクトで維持しやすいという側面から、企業に好んで選ばれる傾向にあります。

やっぱり、「4トントラックの車体なのに、大型トラック並に積める」というのは8トントラックの一番の魅力でしょう。

8トントラックドライバーのデメリットは?


ここまで8トントラックの魅力についてみてきましたが、ここでは、8トントラックを運転するうえでデメリットともなり得る部分も解説していきます。

デメリットという言葉を使いましたが、今から挙げる点が仕事をする上で許容範囲と思えるのであれば、迷わず8トントラックドライバーに挑戦してみましょう。

長時間拘束される場合が多い


8トントラックは大型トラックに近い積載量が魅力の増トントラックなので、長距離配送を任されることも多いのです。

長距離を配送すると、どうしても業務完了まで長時間拘束されることになります。

「車中泊になっても構わない」「車中泊には慣れている」という方にはピッタリですが、1日で業務を完結したい、なるべく早く帰宅したいという方には、8トントラックドライバーは向いていません。

体力がないと続かない


8トントラックドライバーは、体力勝負です。出発前には大量に荷物を積み、到着後は大量の荷物を下ろさなければなりません。

それも長距離配送で何時間も運転した後に、です。そう考えると体力がないと厳しいですよね。

もともと体力に自信があり、トラックドライバーを志望している方にはピッタリな職業なので、体力自慢の方はぜひ8トントラックドライバーとして就職しましょう。

8トントラックの運転には大型免許!仕事の幅を広げよう

8トントラックの運転には大型免許!仕事の幅を広げよう
8トントラックを運転するために必要な免許は「大型自動二輪免許」という点を中心に、大型免許の取得方法や取得までの期間、8トントラックの規定などを見てきました。

最後に重要なポイントを以下にまとめます。

■8トントラックの運転に必要な大型自動二輪免許の取得方法

・大型免許で運転できる車両は【車両総重量11トン以上/最大積載量6.5トン以上/乗車定員30人以上】のいずれかを満たすもの。

・大型免許取得の入校条件は、普通免許取得後3年以上経過している21歳以上の人で、視力は片目0.5以上、両目0.8以上あり、赤青黄の3色が識別できること。深視力2.5mの距離で平均誤差2cm以内。

・聴力は10mの距離で90dBの警報音を聞き取れること。

・期間は通学免許も合宿免許も最短14日程度。ただし、平成19年6月1日までに取得した8トン限定の普通免許については最短9日で取れる。

・費用は通学で25万円前後、合宿で20万前後。


■8トントラックの規定

8トントラックの規定は【車両総重量13トン以上15トン未満、最大積載量8トン未満】。
車両寸法は4トントラックと同じ規格【全長7,600mm×全幅2,200mm×全高2,680mm】。


■8トントラックの上物の種類

・平ボディ:荷台に屋根がないがタフな作り。
・バンボディ:屋根があるタイプの箱型の荷台。
・ウィングボディ:バンボディの箱部分の両側が開く。
・冷凍冷蔵車:冷蔵・冷凍機能が付いた箱型の荷台。
・タンクローリー:荷台にタンクが設置されているもの。
・ダンプ:荷台が浮いて、積載物を流し出す。土砂ダンプと土砂禁ダンプの2種類。


■8トントラックが活躍する場とドライバーの月収

・8トントラックで配送する商品は上物によって変化し、平ボディやダンプは建設現場へ鉄鋼や土砂などを直接配送し、バンボディやウィングボディは雑貨や部品、冷蔵冷凍庫は食料品を配送する。

・バンボディや冷蔵冷凍庫の8トントラックが長距離配送を担うことが多い。

・8トントラックドライバーの月収は30万前後、50万円を超えるドライバーも居る。


■8トントラックは過積載に注意

・過積載とは最大積載量以上に荷台に荷物を積んでしまうこと。
・過積載の程度が5割未満は違反点数2点、3万円の反則金を支払う。
・5割以上10割未満だと違反点数3点、反則金4万円。
・10割以上では即免停+違反点数6点+6カ月以下の懲役又は10万円以下の罰金
・過積載運転は車両にかかる負担も大きく、環境汚染にも加担してしまうことになる。

配送業は物流を支える大切な産業の1つです。

しかし、その配送を担うトラックドライバーは年々減少傾向にあります。

とくに大型免許を所持する8トントラックドライバーは、かなり不足している現状があります。

8トントラックはとくに大型トラックよりも車両価格や維持費を低コストに抑えられる上に汎用性が高い車両のため、8トントラックを運転できる大型免許を持ったドライバーは、即戦力でもあり需要も高いのです。

少しでも8トントラックの運転やトラックドライバーという職自体に興味がある方は、ぜひチャレンジしてみましょう。
この記事の執筆・監修
トラQ編集部 佐藤 哲津斗

運営会社、株式会社しごとウェブの代表。運送業界に貢献できるようにトラQを運営しています。
トラQを使っていただいている皆様の仕事探しのお役に立つことができれば幸いです。

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