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最終更新日:2021-11-10

霊柩車ドライバーの仕事と必要な免許・年収・業務内容も解説

トラQ編集部
霊柩車ドライバーの仕事と必要な免許・年収・業務内容も解説
どんなに世の中のAI化が進んでも、まず無くならないと思える仕事は数多く存在しています。

人が亡くなった時、病院などから自宅、自宅から火葬場へと遺体を搬送する霊柩車ドライバーの仕事もそのうちのひとつでしょう。

よく街中で霊柩車が走っているのを見かけます。しかし実際の霊柩車ドライバーの仕事内容や、霊柩車ドライバーの年収など、詳しく知っている人は意外に少ないのではないでしょうか?

この記事では霊柩車ドライバーに興味がある方へ向けて、疑問や気になることを解説しています。

・霊柩車ドライバーの業務内容
・霊柩車ドライバーに必要な免許や資格
・霊柩車ドライバーの年収や雇用形態
・霊柩車ドライバーの心得や資質
・霊柩車ドライバーの求人

いざ霊柩車ドライバーとして働き始めた時に、思っていたのと違うと感じる人がいるかもしれません。

そうならないためにも、ここでしっかりと確認しておきましょう。


【目次】
1.霊柩車ドライバーの業務内容
 1-1.霊柩車と寝台車はどのように違うのか?
 1-2.霊柩車ドライバーの業務内容
 1-3.寝台車ドライバーの業務内容
2.霊柩車ドライバーに必要な免許と資格
 2-1.霊柩車ドライバーに必要な免許は
 2-2.霊柩車ドライバーに必要な資格
3.霊柩車ドライバーの雇用形態
 3-1.アルバイト採用はほとんどない
 3-2.正社員または契約社員
4.霊柩車ドライバーの年収
 4-1.平均年収
 4-2.賞与
 4-3.その他の手当
 4-4.遺族からの心付け
5.霊柩車ドライバーに向いている資質とは?
 5-1.丁寧な対応ができる
 5-2.コミュニケーションスキルが高い
 5-3.女性こそ活躍できる職種
6.霊柩車ドライバーとしての心得
 6-1.宗教上の作法
 6-2.気配りができる
 6-3.ドライブテクニック
 6-4.言ってはいけない言葉
 6-5.霊柩車ドライバーとしての身だしなみ
 6-6.霊柩車ドライバーの求人
 6-7.インターネット
 6-8.ハローワークや求人雑誌
 6-9.転職サイト
7.霊柩車ドライバーのまとめ

霊柩車ドライバーの業務内容

霊柩車ドライバーの業務内容
早速霊柩車ドライバーの業務内容から解説します。

霊柩車ドライバーを志す人であれば、必ず知っておいた方がよい霊柩車と寝台車の違いを理解しましょう。

それから業務内容を詳しく説明します。

霊柩車と寝台車はどのように違うのか?


一般的に霊柩車はよく聞きますが、寝台車も同じく遺体を運ぶ車です。
この2つにはどのような違いがあるのでしょうか?

霊柩車

霊柩車とは、遺体を葬儀会場から火葬場まで搬送するための車両です。

以前の霊柩車は宮型霊柩車が主流で、神社や神輿寺院を彷彿とさせる装飾付きの屋根が特徴の車両でした。

しかし現在では宮型霊柩車はあまり見かけず、洋型霊柩車が主流となりました。

理由は、洋型霊柩車はどんな宗教の葬儀にも対応できることや、また街中で走行しても宮型霊柩車より目立ちにくいなどがあり、近年は需要が高まっています。

寝台車

寝台車とは、葬儀や通夜の前に遺体を搬送する車両です。

現代では病院で亡くなる方が多く、遺体を自宅等に搬送しなければいけません。この時、遺体を寝かせたまま搬送できる車両が必要になります。

寝台車にはストレッチャーが装備されており、遺体を寝かせたまま搬送できるようになっています。

また遺族などの同乗者が乗れるミニバンタイプの車両が多く、搬送車とも呼ばれます。

霊柩車ドライバーの業務内容


霊柩車ドライバーの主な業務内容は、自宅や葬儀場などから火葬場まで遺体を搬送する運転業務です。

遺体搬送業務に伴い、

・霊柩車に棺を積み込む
・火葬場で棺を下ろす

なども霊柩車ドライバーの業務になります。

葬式に土日祝日は関係ありませんので、休日が取りづらいように思うかもしれません。

しかし霊柩車ドライバーの休日はしっかりしており、友引や大晦日、元旦は休みであることが多いでしょう。

なぜなら多くの火葬場はこの日休みとしているため、葬儀自体が執り行われないからです。

また勤務時間は、火葬場が開いている時間内の運転業務なので、仕事をする時間帯は決まっていると言えます。

勤務する会社によりますが、8時から17時までが多いでしょう。

寝台車ドライバーの業務内容


寝台車ドライバーの業務内容は、その方が亡くなった場所から自宅などの遺体安置場所まで搬送することが仕事です。

病院や老人ホームなどの施設からの搬送や、警察署からという場合もあるでしょう。

いずれにしても寝台車に装備しているストレッチャーを使い、遺体を慎重に寝台車に乗せなくてはなりません。

大きな違いは、霊柩車ドライバーが運ぶ遺体は棺に入っており、寝台車ドライバーは遺体そのものを運ぶということです。

また亡くなる日や時間は人によりけりなので、早朝だったり深夜だったりと勤務時間もさまざまで、2交代制であることが多いでしょう。

霊柩車ドライバーに必要な免許と資格

霊柩車ドライバーに必要な免許と資格
ここからは霊柩車を運転するにあたり、特殊な免許や資格が必要なのかを解説します。


霊柩車ドライバーに必要な免許は


霊柩車ドライバーは運転業務がメインなので、自動車免許は必須です。

もし持っていないのであれば、自動車免許を取得してから企業へ応募しましょう。

考えられえる必要免許は以下の3つです。

普通自動車第一種免許

(公道で自動車を運転するために必要な免許)
この中で必ず取得していなければならないのが、普通自動車第一種免許です。この免許を持っていないと、霊柩車ドライバーの仕事はできません。

普通自動車第二種免許

(旅客を運送する目的の免許)
普通自動車第二種免許は、タクシードライバーやバスなど運賃をもらって走行する場合に必要な免許です。

基本的に遺族の方が霊柩車に同乗されても運賃は取らないので、第二種免許は必要ないと言えます。しかし勤務する会社によっては必要とするかもしれない免許です。

大型第二種免許

(バス型霊柩車を運転する際に必要)
大型第二種免許は、バス型霊柩車を運転する際に必要な免許です。

特殊な車両ですが、バス型霊柩車を保有している会社もあるので、求人欄の記載は必ずチェックしてください。

霊柩車ドライバーに必要な資格


基本的には普通自動車第一種免許を保有していれば大丈夫です。

葬儀にまつわる特別も資格はありません。資格ではありませんが、あればなお良いとされているのが、葬儀会社での勤務経験や接客業や営業職などの経験です。

遺族の方への丁寧な対応が必要になるので、経験者はもちろん優遇されるでしょう。

また接客業や営業職などの経験があれば、応募する際のアピールポイントにもなるでしょう。

霊柩車ドライバーの雇用形態


では霊柩車ドライバーの雇用形態はどのようになっているのでしょうか?

アルバイトから始めてみたい方や正社員希望の方まで幅広くいると思うので、しっかりと解説していきます。

アルバイト採用はほとんどない


残念ながらアルバイト採用はほとんどありませんので、霊柩車ドライバーとして働きたいのであれば、正社員の応募をするか、別のアルバイトを探してください。

霊柩車ドライバーのアルバイト採用がないのには、しっかりとした理由があります。

葬儀は亡くなった方を送り出す最後のセレモニーです。悲しみに打ちひしがれている遺族の前で、ただ運転していればいいというものではありません。

しっかりとした社員教育が必要になるため、アルバイトの求人はほとんどないのです。

正社員または契約社員


霊柩車ドライバーとして働く場合は正社員となる必要があります。

仕事柄、教育制度がしっかりしているところが多く、長期的に働けるため、離職率が低い職種です。

また霊柩車ドライバーの求人自体が少ない傾向にあり、こまめな求人チェックが必要です。

派遣社員という働き方もありますが、常に求人があるわけではありません。

霊柩車ドライバーの年収


いくら魅力的な仕事内容でも、給料が安いのは考え物です。実際の霊柩車ドライバーの年収はいくらなのか見ていきましょう。

平均年収


霊柩車ドライバーの年収は平均350万円ほどです。これは勤務する会社によって大きく差がありますが、月収にすると20万~25万が相場でしょう。

霊柩車ドライバーは一般的な職種より高く給与設定されていることが多く、ドライバー職の中でも人気の職種です。

賞与


霊柩車ドライバーは正社員採用がほとんどなので、賞与が支給されることが多いでしょう。相場は年間で40万前後です。

しかしどの業界の企業もそうですが、もともと賞与支給のない企業もあります。就職する際には、賞与支給があるのかを事前に確認しておく必要があります。

その他の手当


霊柩車ドライバーと寝台車ドライバーを兼ねている場合、深夜勤務が多くその分の手当や残業代が気になります。

この職種の場合、深夜手当込みの月給設定の会社も多いことが現実です。

また残業代については、求人ではっきり明記されていないことが多いので、あらかじめ確認しておいてください。

遺族からの心付け


手当とは異なりますが、霊柩車ドライバーをしていると、遺族から心付けをいただけることがあります。

心付けとは、お世話になった感謝の気持ちを込めて金銭や品物を渡すことです。外国ではチップと呼ばれています。

日本ではチップの習慣はあまりないのですが、冠婚葬祭の場では心付けとしてお金を渡すことがあります。

必ずいただけるとも限りませんし、心付けの受け取りを禁止している会社もあります。

霊柩車ドライバーに向いている資質とは?

霊柩車ドライバーに向いている資質とは?
霊柩車ドライバーには免許以外に必要な資格はいらないことはわかりました。

では人としての資質の面では、どうなのでしょうか?霊柩車ドライバーに向いている人の特徴を説明します。

丁寧な対応ができる


遺体を搬送することが主な仕事ですが、お客様は亡くなられた方の親族の方々です。

悲しみに打ちひしがれている遺族に対して、丁寧かつ親身な対応ができる人でないとこの仕事は務まりません。

もちろん企業側もそのような人材を求めているので、経験者はもちろん、業界未経験でも遺族に寄り添える丁寧な対応ができる人は、仕事に向いていると言えます。

コミュニケーションスキルが高い


先にも説明しましたが、霊柩車ドライバーは運転業務のみしていればいいというものではありません。

遺族の方への対応も要求されるので、コミュニケーションスキルは高い方がよいでしょう。

接客業や営業職などの経験を持っているのであれば、そのスキルも活かせる場面は多いでしょう 。

女性こそ活躍できる職種


一般的なドライバーと言うと、重い荷物を持ったり長時間の運転をしたりと体力勝負なイメージがあるでしょう。

しかし霊柩車ドライバーは特殊な職業で、そのようなイメージからはかけ離れています。

むしろ女性ならではの気配りができたり、遺族への対応が柔軟だったりと企業側にもお客様側にもメリットがあります。

また霊柩車ドライバーの性別を問わない求人も多く出ているので、女性のドライバーも多く存在しています。

霊柩車ドライバーとしての心得

霊柩車ドライバーとしての心得
葬儀会社へ就職が決まったら、しっかりとした社員教育は行われるはずです。しかし自分でもある程度の心構えを持っていたら、慌てずに済みます。

霊柩車ドライバーとしての心得をいくつか紹介しますので、覚えておくと良いでしょう。

宗教上の作法


霊柩車ドライバーは葬儀会社のスタッフとして、葬儀一般のルールやマナーについて知っておく必要があります。

運転中に遺族の方から、葬儀の流れや火葬についての質問を受けることはよくあることです。

宗教によって異なることもあるので、間違った情報を伝えないよう勉強しておいてください。

気配りができる


霊柩車ドライバーは、遺体を慎重に搬送する重要な仕事です。

同乗する遺族への気配りはもちろんですが、遺体への配慮も必要になります。

遺体の状態を保つため、安全な運転や遺体への適切な処置を行える気配りが大切です。

ドライブテクニック


霊柩車ドライバーは、普通自動車第一種免許が必須要件でした。

以前は宮型霊柩車がよく使われていましたが、最近ではパッとみて霊柩車とは分かりづらい洋型霊柩車が増えました。

このため、霊柩車とは気付かずに割り込んでくる車もあります。後続車には不安や不快感を与えないようなドライブテクニックが必要です。

また火葬場へ移動する場合、遺族や親族が乗る後続車が続いているケースが多いです。後続車が信号待ちで離れないように、配慮しながら運転する必要があります。

言ってはいけない言葉


遺族の気持ちになることはできないかもしれません。

しかし霊柩車ドライバーが遺族の気持ちを逆なでするような言葉を発することは許されません。

・気持ちが良い天気
・晴れて良かった
・絶好の~

このような言葉は普段は全く問題ないのですが、故人を送る最後のセレモニーである葬儀では、遺族に対して失礼にあたる禁句です。

・続く
・追う
・また
・重ねて

これらの言葉も不幸が続くような表現につながるので、使わないのがマナーです。

葬儀はなにかと気の張る仕事なので、気を抜いてうっかり使用しないでください。

霊柩車ドライバーとしての身だしなみ


葬儀場や火葬場へ出入りする霊柩車ドライバーの服装は当然、礼服です。

また、霊柩車ドライバーの正装という意味で、白の手袋の着用します。

服装に関しての注意点としては、遺族の方々に不快感を与えないため、清潔感を保つことを意識します。

また汚れやシワが目立つことのないよう、礼服やワイシャツは定期的にクリーニングに出したり、新調したりしてください。

身だしなみに関しては、清潔感のない無精ひげや長髪は禁止です。

また髪の色も金髪や茶髪などは、葬儀会社のスタッフとして軽々しいイメージを持たれやすいので、やめておいた方がよいでしょう。

霊柩車ドライバーの求人


求人数が少ないことは先にも少し説明しました。

では霊柩車ドライバーの求人をもれなく探すためには、どういった方法があるのかを解説します。

インターネット


他の業種と比べると、霊柩車ドライバーの求人はかなり少ないため、インターネットで検索した方が効率的です。

ご存じの通りインターネットは時間も場所も選ばないので、自分の都合の良い時間に検索できます。

・求職サイトを利用する
・直接企業のホームページを検索する

など、求人募集を探せる環境は整っています。

インターネットをうまく活用して、さまざまな求人情報を見つけましょう。

ハローワークや求人雑誌


・自宅にパソコンがない人
・インターネットが苦手な人

などはハローワークや求人雑誌を活用してください。

ハローワークでは手数料などは取らず、職員が親身になって仕事探しの手助けをしてくれます。

またハローワークにしか求人を出さない企業もあるので、こまめに通ってチェックすると良いでしょう。

転職サイト


インターネット検索ができる人は、転職サイトに登録するとさらに効率的です。

霊柩車ドライバーの情報が多く掲載されているサイトもあり、利用者登録すると、条件に合った求人をメールで知らせてくれるサービスもあります。

霊柩車ドライバーのまとめ


霊柩車ドライバーの仕事を詳しく知らない人も、よく理解できたのではないでしょうか。

最後に霊柩車ドライバーについてまとめておきます。

・業務内容は遺体の搬送だが霊柩車と寝台車があり用途が違う
・基本的には普通自動車免許があれば応募できる
・雇用はアルバイト採用がほとんどなく正社員が多い
・霊柩車ドライバーの年収は一般企業と同等程度
・霊柩車ドライバーには丁寧な対応ができる人が向いている
・就職する前に霊柩車ドライバーとしての心得を持つと良い
・求人サイトはインターネットをメインに探すと効率的

霊柩車ドライバーは誇りと魅力にあふれた仕事であり、給与や休日なども安定しているため、長く続けていける仕事です。

少子高齢化が進み、葬儀も簡略化されつつあります。

しかしどんなに世の中が変わっても故人を送る最後の儀式や遺族の想いが無くなることはないでしょう。
この記事の執筆・監修
トラQ編集部 佐藤 哲津斗

運営会社、株式会社しごとウェブの代表。運送業界に貢献できるようにトラQを運営しています。
トラQを使っていただいている皆様の仕事探しのお役に立つことができれば幸いです。

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